JR西の解雇「有効」 一審取り消し

  ●名高裁金沢支部/「実行犯と認められる」

 勤務していたJR金沢駅で500万円を盗んだ疑いで逮捕され、その後不起訴になったもののJR西日本に解雇された元社員の30代男性(金沢市)が雇用関係の確認を求めた訴訟の控訴審判決で、名高裁金沢支部は13日、解雇を無効とし未払い賃金の支払いを命じた一審判決を取り消し、男性の請求を棄却した。「実行犯は男性と認められ、解雇は有効」と判断した。

 一審金沢地裁判決は、窃盗ほう助容疑で逮捕された同僚の証言に「不自然な点があり、男性が犯人とは認められない」としたが、高裁支部の吉田尚弘裁判長は判決理由で「信用性を否定できない」と指摘した。その上で元社員に関し「否認の虚偽供述を繰り返した」として解雇事由に当たると判断した。

 不起訴処分については「異なる証拠関係の下にされており、認定判断を左右しない」と述べた。

 判決などによると、男性は駅の事務室に保管されていた現金を盗んだ疑いで2018年12月に逮捕され、その後、金沢地検が嫌疑不十分で不起訴とした。だが、JR西は男性の犯行と結論付け、懲戒解雇した。

 JR西金沢支社は「妥当な判断と考えている」とした。男性の代理人弁護士は「判決を見ておらずコメントできない」と話した。

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