つくば市議会 オンラインで一般質問 茨城県内初 議場と自宅つなぐ

手を挙げて質問の許可を求める黒田健祐議員=つくば市議会

茨城県つくば市議会は13日の定例会本会議で、県内で初めてオンラインによる一般質問を実施した。新型コロナウイルス感染のため自宅療養中になった議員が、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って自宅と議場をつなぎ、約40分間にわたり市政について質問した。総務省によると、他の地方議会での実施について「問い合わせなども含めて聞いたことがない」としている。

この日は、黒田健祐議員(つくば自民党)がオンラインで、10月2日から行われる市役所窓口受け付け時間の短縮や、スタートアップ企業の支援について質問。議場では、黒田議員の姿が縦約2.6メートル、横約2メートルのスクリーンに投影された。また、議場に固定されたタブレットのカメラを通して、黒田議員が市側の出席者席や議長席などの様子を確認できるようにした。

地方議会のオンライン化を巡っては、総務省が2月にオンラインの一般質問を可能とする見解を公表。同市議会は6月に市議会会議規則を改正した。議員が公務や災害、病気や育児などやむを得ない理由で議場に来場できない場合に、一般質問をオンラインで行うことが可能となった。

議会事務局によると、オンラインによる一般質問は地方自治法により欠席扱いになるが、議事録は作成される。実施するには、前日の正午までに申し出る必要がある。

一般質問の終了後、黒田議員は「音声もしっかり聞こえて、やれて良かった。選択肢の幅が広がった」と感想を話した。五頭泰誠議長は「産後や育児期間中の議員の役割を全うすることなどにつなげることができる」と利点を強調した。

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