全米日本酒歓評会 天山酒造(小城市)の「七田 純米大吟醸Parfait(パルフェ)」が準グランプリ 

「七田 純米大吟醸Parfait(パルフェ)」

 8月末に米国・ハワイ州ホノルル市で開かれた第23回全米日本酒歓評会の大吟醸A部門で、天山酒造(小城市)の「七田 純米大吟醸Parfait(パルフェ)」が準グランプリ(3位)に輝いた。高級米とされる兵庫県・特A地区の山田錦を使用、精米歩合25%、アルコール度数16度で天山酒造の最高級酒。全て手作業で丁寧につくられた。同社の準グランプリ受賞は2018年以来4回目。

 パルフェは機械に頼りがちな搾りも、もろみを酒袋に詰めてつるし、自然の重力で落ちる滴を集めた「しずく搾り」にした。苦みや渋みのないきれいな酒に仕上がったという。華やかでフルーティーな香りときれいで膨らみのある味わいが特長。スッとキレていく飲みやすさがあるという。

 受賞酒を手がけた杜氏(とうじ)の後藤潤さん(57)は「温暖化の影響などで米は毎年状態が異なる。酒造りの経験やスタッフみんなが力を合わせたことで納得できる出来栄えとなった」と自信をのぞかせる。海外からも高級酒の需要は高まっており、輸出への期待も高まる。720ミリリットル入りで価格は1万6500円(専用の化粧箱入り)。全国の特約店で購入できる。

 歓評会は2001年から開催。大吟醸A(精米歩合40%以下)、同B(同50%以下)、吟醸(同60%以下)、純米(同70%以下)の4部門に、日本と米国の198蔵元から計578点が出品された。金賞141点、銀賞137点を選考し、点数の高かった出品酒にグランプリ・準グランプリ(2点)が贈られた。審査は3日間、独立行政法人酒類総合研究所の研究員や日本酒造組合中央会理事、国際酒会理事ら計11人の審査員が、香りやバランスなどを評価した。(志波知佳)

 そのほかの県内の受賞は次の通り。

【大吟醸B】銀賞 天山酒造「七田 純米大吟醸」【吟醸】銀賞 古伊万里酒造「古伊万里 前 純米吟醸」、天山酒造「七田 純米吟醸」・「七田 純米吟醸50 雄町」【純米】金賞 五町田酒造「東一 山田錦純米酒」▽銀賞 光武酒造場「手造り純米酒 光武」

11人の審査員が審査にあたった全米日本酒歓評会=ハワイ州ホノルル市(全米日本酒歓評会提供)
審査員11人が審査に当たった全米日本酒歓評会=ハワイ州ホノルル市(全米日本酒歓評会提供)
審査員11人が審査に当たった全米日本酒歓評会=ハワイ州ホノルル市(全米日本酒歓評会提供)

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