ラブラブだったカップルが、結婚してからは愛し合う気持ちを忘れてしまったように心が離れて離婚してしまう……。
その原因は様々です。しかし、実は結婚してから、自分自身が結婚するような状態ではなかったと気づくことがあるのです。
中でも多いのが、自分の親との関係。
今回は、「親に影響される恋愛や結婚」について、事例をまじえて紹介します。
事例:「毒親」に悩んだ女性の恋愛と結婚、出産
「毒親」とひとくくりに表現されますが、一人一人状況がそれぞれ異なります。
親の考え方や行動、そのときに受けた心の傷、親との関係からつながる人間関係…。それらによって自分の恋愛や結婚が影響されてしまうことも、それぞれ異なるのです。
毒親から受けたことがトラウマになって、カウンセリングや専門家に相談したり、心のケアを図っている人もいます。
私の友人で長い間毒親に悩まされていた女性は、カウンセリングを受けることはなかったものの、仕事に没頭して結果を出し、自分で自分を認めてあげることができたそうです。
高学歴で難関といわれる新聞社に入社して、バリキャリの彼女が選んだ結婚相手は、母親が嫌がるクリエイティブな職業のフリーランスの人でした。
彼女は新聞社を早期退職して不妊治療をすると、1年未満で妊娠。可愛らしい女の子を出産しましたが、母親は孫を抱こうとしなかったそうです。彼女の兄の子どもは愛でているというのに。
妊娠中は母親になるのが怖かった
夫とは自然の流れで結婚したそうですが、妊娠中、彼女は母親になるのが怖かったそうです。
というのも「自分が親になったら、自分をコントロールする事ができず子どもを傷つけてしまうのではないかという恐怖や、母のように毒親になるのではないか? とという不安が募っていったそうです。
ところが長女が誕生してから「可愛くて、可愛くて。私の宝物」と、不安や恐怖が払拭されたそうです。
子どもが生まれてから教育方針の違いで、夫との関係がぎくしゃくしたこともあるそうですが、「そのことは毒親から受けたことが影響していない」と言い切っています。
父親の介護のために、地方にある実家に帰省することもあるそうですが、実家に寄らず病院や施設の近くのホテルに滞在しているそう。これは母親と関わらないためです。
親と仲が悪い女性のケースは、一つとして同じケースはありません。人と比べず、「自分にとっての幸せ」を見出し、時には専門家に助けてもらいましょう。
親に振り回されない!そのためには…
恋愛や結婚について、親との関係を乗り越えた女性は二つのパターンに分かれるように感じます。
一つはあえておひとり様を選択したパターン。パートナーに恵まれなくても、物理的に毒親から離れて自由になれたという女性です。中にはカウンセリングを受けている人もいます。
二つ目は、「夫が現れてから人生が急展開した」と幸せになった女性です。結婚で人生が変わることもあるのです。幸せな結婚生活が長くなると、心の傷も癒えていきます。
親と仲が悪い女性の中には、子どもを持つことを躊躇する女性もいます。
「夫は子どもが欲しかったのでは?」と不安になることもありますが、しっかりと夫婦が理解し合って決めたことであれば問題ありません。
夫にとっても妻が唯一無二の存在です。
不幸は人を成長させてくれることもあります。愛というゴールに向かうための鍛錬の時期だったと思えたら素敵なことですね。
親と超仲良しな女性の場合でも…明暗を分けるポイント
事例1: 旅行も夕食も両親と…家に帰ってこない妻
今まで、親と仲が悪い女性の事例について紹介しましたが、逆に親と仲が良すぎる女性にも明暗がありました。
妻が結婚後も親と仲が良すぎたことが原因で離婚した編集者の矢崎さん(仮名・35歳)は、恋愛と結婚生活について次のように語ります。
「知人の紹介で出会って交際を始めました。彼女は僕のことを穏やかで一緒にいて疲れないと言ってくれたんです。すぐに両親に紹介されました。
その時、目の前で彼女の母親が僕のことを気にいったと彼女に言うと、彼女も機嫌がよくなって。親と仲がいいんだなとその時は軽く考えていました」
ところが結婚すると、妻がさっさと仕事をやめて週1、2日勤務のバイトを相談なしに決めてきたそうです。
「僕の収入だけで彼女を養っていけるのだろうかと不安でした。でも彼女はバイトの日以外は実家に入り浸って、夜ご飯を食べると実家にある自分の部屋で泊るようになり、次第に家に帰らなくなっていきました」
編集という仕事柄、帰宅が遅い矢崎さんは、明かりがない真っ暗なマンションに戻るとまるで独身生活に戻ったような気がしたそうです。
「そのうち、彼女は母親と韓国やヨーロッパなどへ旅行をするようになりました。旅行から帰ってくると、そのまま実家で過ごし、実家からバイトに通い、僕の家に帰ってくることはなかったです」
結婚してから2年も経たないうちに離婚した矢崎さん。結婚はこりごりだそうですが、子どもがいる家庭を持ちたいと悩んでいます。
「もし再婚するとしたら、実家と仲が良すぎない普通の女性がいいです。結婚したらすぐに妊活して、早く自分の家族を作りたいですね」
事例2: 「このままじゃだめ」と自分で気がついた女性
都内に実家がある咲さん(23歳・仮名)は一人っ子。両親と夕食を囲んでいると、あっという間に33時間が過ぎるそうです。
「父、母、私と3人とも、ひたすら喋ります。一つの話題に対して、まるで奪い合いをするように自分の意見を言いまくるんです。テレビをつけていると大変なことになりますね。番組で取り上げたテーマに就いて、延々と語り合うからです」
このように、とても仲が良い咲さんの家族。しかし、家族でいることがあまりにも楽しいため、恋愛から遠ざかってしまったそうです。
「アルコールを飲んだりすると、男性と付き合いたくなるんですが、でも相手が私に気があると知るとすぐに冷めてしまって。このままでは恋愛も結婚もできないと不安になりました」
男性と付き合いそうになると、「両親とうまくやっていけるかどうか」の基準で相手をジャッジすることも。
もしかしたら親ファーストが原因で、結婚ができないかもしれないと危機感を抱いたそうです。
「そこで就活のときに、実家から遠い企業に絞って就活しました」
現在は都内から片道2時間半もかかる企業に就職して、実家から離れて暮らしている咲さん。
「でも週末ごとに帰っているから、完全に離れたというわけじゃないんですけどね」
そういう彼女は、最近は友達以上恋人未満の男性を見つけたそうです。
二人の女性、何が違ったのか
咲さんは、「このままでは結婚できないかもしれない」という危機感を持ったのが幸いでした。次に行動に実際の行動に移したことも素晴らしいですね。
親との距離を作る方法として、就業先を遠方にするなど実家を出ることを必然にさせる選択をしたこともベストな選択です。
親と仲良しでも時には両親と離れて、男性との向き合い方をじっくり考えてみましょう。
また実家から離れた場所で気に入った男性と付き合うことによって、親との関係も変わるかもしれません。
恋愛や結婚で大事になってくる相手への思いやりや距離感。それを一番最初に学ぶのが親子の関係なのかもしれません。
親と仲が良すぎても、悪くても、恋愛や結婚相手との関係に影響してきます。
まずは自分と親の関係がどういう状況にあるのか、冷静に分析して行動してみましょう。
(mimot.(ミモット)/ 夏目 かをる)