栃木県内コロナ 定点平均25.51人で5類移行後最多 「第8波に匹敵」医師会警戒強化

 県は14日、県内76の定点医療機関で把握した新型コロナウイルス感染者数を公表した。4~10日の1週間に報告された感染者は計1939人。1機関当たりの平均は25.51人で、5類移行後の最多を更新した。8月中旬に急増して以降、高止まりが続いている。県医師会は「(昨年12月の)第8波ピークの感染状況に匹敵しつつある」と警戒感を強め、14日夜には緊急の会合を開いた。

 コロナ感染者は前週(8月28日~9月3日)の計1872人、1機関当たりの平均24.63人から微増し、4週連続で前週を上回った。

 6保健所管内別で1機関当たりの平均患者数が最も多かったのは安足で34.36人。県南が30.24人、県北が29.14人、県東が23.50人、宇都宮が21.22人と続き、最も少ない県西は8.63人だった。

 年代別では最多の10歳未満が543人。10代446人で、10代以下が感染者全体の半数を占めた。40代205人、30代147人、60代137人などと続いた。

 クラスター(感染者集団)は医療機関で3件、高齢者施設で13件、障害者施設で6件発生した。クラスターは8月上旬以降、高齢者施設を中心に増え続けており、県は感染対策を徹底し、発生時の対応を確認するよう呼びかけている。

 新規入院者は前週比31人増の209人。1週間平均の入院者は338.3人で前週比15.8人減だった。

 感染者数は、今月に入り伸びは鈍化しているものの高止まりが続く。季節性インフルエンザの流行もあって外来対応医療機関の負荷は増しており、一部では業務が逼迫(ひっぱく)しつつあるという。14日に緊急会合を開いた県医師会は県内の感染状況や入院・外来医療の状況などについて情報を共有した。

 稲野秀孝(いなのひでたか)会長は「検査を受けない人もいることを踏まえると、コロナ感染は相当広がっていると考えられる」とみている。

 一方、県内では20日から接種可能な全ての年代を対象とするコロナワクチンの秋接種が始まる。県感染症対策課は「リスクの低い人でも重症者になる例がある」として接種を促している。

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