舞で挑む鏡花の物語 金沢おどり、15日開幕

「瀧の白糸」の水芸の場面を仕上げたひがし芸妓衆=石川県立音楽堂邦楽ホール

  ●芸妓衆、節目舞台へ万全

  ●県立音楽堂

 北國新聞創刊130年記念「第20回金沢おどり」(同実行委員会、一般財団法人石川県芸術文化協会、北國新聞社主催)は15日、金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホールで開幕する。ひがし、にし、主計(かずえ)町の金沢三茶屋街の芸妓(げいこ)衆が節目の舞台で挑むのは金沢の文豪・泉鏡花の物語。14日の最終通し稽古では、鏡花文学の「美と幻想」を舞で表現すべく、35人が本番さながらの気迫を漂わせた。

 今年で生誕150年を迎える文豪泉鏡花をテーマに大和楽(やまとがく)でつづる舞踊絵巻「芸妓艶鏡花絢爛(あですがたきょうかけんらん)」では、「瀧の白糸」など6作品が一つなぎに展開する舞台を念入りに確認。三茶屋街合同の素囃子(すばやし)「君が代松竹梅」でも精神を研ぎ澄ませた。

 振付・演出を務める日本舞踊正派若柳流若柳会長の若柳宗樹(そうじゅ)さん(総合演出)、西川流家元の西川千雅(かずまさ)さん、寿柳(としやぎ)流宗家家元の寿柳貴彦さんが全体に目を配り、立ち位置や場面転換、照明などを最後まで細やかに指示した。芝居の要素が増した今回の舞台について若柳会長は「鏡花の芸術的世界を踊りから感じとってもらいたい」と話した。

  ●4年ぶり手ぬぐい投げ

 総おどり「金沢風雅」では恒例の手ぬぐい投げが4年ぶりに行われる。口上を担当するひがしの真砂美さん、にしの結さん、主計町の桃太郎さんも表情を引き締めた。

 会場には茶屋の名を記した提灯や芸妓のうちわが飾られ、茶席の準備も整えられた。

 金沢おどりは15~18日の午後1時、同4時に開演する。当日券はS席(指定)8500円が残りわずか、A席(自由)7500円。プラチナ席(指定、プログラム付)は完売。問い合わせは北國新聞読者サービスセンター=076(260)8000=まで。

素囃子「君が代松竹梅」を合わせる三茶屋街の芸妓衆

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