生き生き100歳ゲートボーラー 岩崎さん(伊万里市)、知事が長寿祝福

好プレーをして喜ぶ岩崎百合枝さん=伊万里市二里町のゲートボール場

 きょう9月15日は老人の日。「人生100年時代」の過ごし方への関心が高まる中、地域で生き生きと暮らすお年寄りは身近なお手本になる。伊万里市二里町の岩崎百合枝さんは、100歳になっても毎日ゲートボール場に通って元気にプレーする。「下手で迷惑かけるけど、ここに来て仲間に会うのが楽しみ」といつも笑顔だ。

 岩崎さんがゲートボールを始めたのは84歳の時。夫と死別して1年間家にこもっていると、近所の人に誘われた。「負けたり勝ったりが面白か」と夢中になり、今も日曜を除く毎日、電動のシニアカーに乗ってゲートボール場に通う。屋根付きなので雨の日も送迎してもらい、昼過ぎから夕方までプレーしている。

 12日には山口祥義知事がゲートボール場を訪れ、岩崎さんの長寿を祝った。毎年この時期に100歳の高齢者と面会している山口知事は「今まで会った中で一番元気。150歳まで生きていける」と声をかけ、祝い状と花束、手書きのメッセージカードを贈った。岩崎さんは「小学校も出とらんとに、偉い人にお祝いしてもらって気の毒か」と涙ぐんだ。

 広島県生まれで幼少期に両親を亡くし、青春時代は満州(現中国東北部)で過ごした。友人のつてで戦後は伊万里に暮らし、結婚。幼い長男を背負いながらかまぼこの行商を始め、20年近く続けた。「食べていくのに一生懸命でした」。長男は現在、横浜市を拠点に全国展開する美容室チェーンを経営している。

 愛犬と暮らし、洗濯や風呂掃除は自分でこなす。新聞の社説を読むのが日課で、週刊誌も2冊を購読。ペンを手に漢字ドリルや家計簿とも向き合っている。「これからも朝昼晩ご飯を食べて普通に暮らすだけです」と岩崎さん。もちろん、大好きなゲートボールは「ずっと続けます」と笑った。(青木宏文)

山口祥義知事(右)に元気の秘けつを話す岩崎百合枝さん

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