人類史上初の原爆投下 広島の惨状を記録した写真を「世界の記憶」に 新聞社などが国内申請

広島の原爆を記録した写真およそ1500枚を中国新聞社など新聞3社と広島市が共同で、ユネスコ「世界の記憶」に登録するため国内申請しました。被爆80年となる2025年の登録実現を目指しています。

原爆が炸裂した直後に広島市内から撮影されたきのこ雲や、被爆当日に撮影された生々しい惨状…。1532枚の写真には「広島原爆記録写真 ー『きのこ雲』の下から」というタイトルがつけられました。

中国新聞の呼びかけにより朝日新聞・毎日新聞、それに広島市の4者は共同で、27人と1機関が撮影したこれらの写真が、ユネスコ「世界の記憶」として登録されるよう、8月28日付で国内申請したということです。

中国新聞社 髙本孝 編集局長
「被爆の記録ということでは同じ思いで、当時の各社のカメラマンが同じ使命感で写真を撮ったと思っております。そういった共通の思いを、我々の世代がつないでいければと」

広島では原爆投下当日からその年の終わりまでに少なくとも2500枚以上の記録写真が撮影されたとみられています。今回の申請では、ネガやプリントが現存するものが選ばれ、推計で14万人が亡くなったという当時の実態を網羅的にたどることができるということです。

申請した4者の事務局 中国新聞 髙本孝 編集局長
「写真というのは、その時の事実をそのまま写し込んだメディアですから、これの総体を出品をして、それがユネスコで認められるということであれば、被爆の実態をより世界に理解していただく契機になるのではないかと期待をしています」

国内申請の結果は11月末までに決定され、その後、最終的な登録の可否は、被爆80年となる2025年春ごろ発表される見通しです。

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