川崎Fがマルシーニョ弾1発で“多摩川クラシコ”制し7戦ぶり白星! ゴミスもデビュー戦で存在感発揮【明治安田J1第27節】

15日、明治安田生命J1リーグ第27節の川崎フロンターレvsFC東京が等々力陸上競技場で行われ、川崎Fが1-0で勝利した。

リーグ戦6試合白星なしの9位・川崎F。7月15日に横浜F・マリノスを撃破してから丸2カ月にわたって勝利から遠ざかるなか、とうとう今節あの大物がJデビュー。個性的なゴールセレブレーションで世界的な人気を博す元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミス(38)がスタメンに名を連ねた。

対する10位・FC東京は川崎Fと勝ち点で並ぶなか、代表ウィーク期間中に行われたYBCルヴァンカップ準々決勝でアビスパ福岡に屈して敗退が決定。今季も無冠が決定的となり、リーグでも3試合白星がないなか、強力な助っ人を加えた川崎Fとの“多摩川クラシコ”に臨んだ。

川崎Fは開始1分でゴミスが魅せる。ゴミスが脇坂の右CKにヘディングで合わせると、シュートコースに走り込んだマルシーニョが触れれば1点というシーンだったが、DFと競り合いながらのシュートをうまくコントロールできなかった。

その後は一進一退の攻防が続き、互いになかなか決定機を作れない。FC東京は強靭なフィジカルを有するゴミスに対してセンターバックのエンリケ・トレヴィザンが徹底マーク。百戦錬磨のゴミスに仕事をさせない強い意志を感じさせる。

27分、川崎FはGKチョン・ソンリョンが左サイドを疾走するマルシーニョへロングフィード。橘田を経由し、ボックス内でパスを受けたゴミスが反転から右足シュートを放つも、うまくミートしきれずトレヴィザンにブロックされる。

FC東京は32分、アダイウトンのシュートがブロックされた跳ね返りを後方から駆け上がったトレヴィザンが拾うと、勢いそのままに前へ持ち出して左足ミドル。ゴール右隅を突いて威力も十分だったが、GKチョン・ソンリョンに阻まれた。

39分に川崎Fがネットを揺らす。脇坂の左CKに家長がヘディングシュートを突き刺すも、オフサイドポジションにいた山根がボールに触れており、直後に副審の旗が上がる。VARオンリーレビューでも判定は覆らなかった。

0-0で迎えた54分、川崎Fは自陣深くでボールを奪取し、カウンターを発動。脇坂が左サイドを疾走するマルシーニョへ大きく展開すると、半身の体勢でパスを受けたスピードスターは切れ味抜群のカットインからボックス内まで侵入し、最後はFC東京の森重をかわして右足シュートを流し込んだ。

追いかける立場となったFC東京にも決定機が到来。59分、自陣でのインターセプトからアダイウトンがドリブルで運ぶと、最後は右側を並走する仲川へラストパスを出し、仲川は川崎Fの車屋をかわしてニアを狙った右足シュート。だが、冷静にコースを塞いだGKチョン・ソンリョンに阻まれた。

Jデビューとなった川崎Fのゴミスは62分でお役御免。ゴールには絡まずとも抜群の存在感でスタジアムを沸かせた。また、ゴミスに代わって入るのは元ブラジル代表のレアンドロ・ダミアンというなんとも豪華な選手交代となった。

スコアが動いたことでゲームスピードも上がったなか、1点リードの川崎Fも攻撃の手を緩めず。71分にはカウンターの流れから二次攻撃を仕掛け、橘田がボックス手前から地を這う右足ミドルを放つも、惜しくもゴール左へ外れた。

必死にゴールを目指すFC東京は試合も終盤に差し掛かる73分、小泉がイエローカードを提示され、次節・サガン鳥栖戦が累積警告で出場停止に。前半にイエローカードを提示されていた東も出場停止が確定しており、次節に向けて懸念が生まれてしまう。

それでも怯まず前線から果敢にプレッシャーをかけていくが、攻撃をスローダウンさせる気配のない川崎Fに対してボールの奪いどころを掴みきれず、もどかしい時間が続く。

FC東京は後半アディショナルタイム4分、白井のクロスをゴール前でトラップした途中出場のペロッチが右足ボレーを放つも、大南にブロックされて同点とはいかず。時折ゴール前に迫るが、どうしても1点が遠い。

結局、マルシーニョの今季初ゴールを守り抜いた川崎Fが1-0で勝利し、7試合ぶりの白星に。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)第1節のマレーシア遠征(ジョホール・ダルル・タクジム戦)を前にし、弾みをつけることに成功した。

敗れたFC東京は2連敗かつ4試合未勝利に。試合内容としても攻撃が停滞する時間は少なくなく、課題の残る多摩川クラシコとなった。

川崎フロンターレ 1-0 FC東京

【川崎F】

マルシーニョ(後9)

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