子育て世代オアシスに 関東から移住の斎藤さん 氷見・余川にカフェ開設

キッズスペースを備えたカフェの店内を紹介する斎藤さん=氷見市余川

  ●キッズ空間など備え

 氷見市の山あいの集落である余川に14日、旧商店を改修したカフェがオープンした。2年半前に千葉県から移住し、1児の父親でもある斎藤航太郎さん(37)が、子育て世代の母親がくつろげる場所を作ろうと整備した。キッズスペースや授乳室を備え、母子の体や環境に優しい食品や日用品も販売する。過疎化が進む集落の活性化にも一役買いたい考えで、斎藤さんは「余川に子育て世代が増えてほしい」と話している。

 斎藤さんは東京都出身。千葉県で約10年間、大手アウトドア用品店で働いた後、余川ののどかな田園風景とゆったりとした雰囲気にほれ、2021年2月に妻と1歳だった長男と一緒に移住した。

 移住後は、余川にあるワイナリーに勤めていたが、過疎や高齢化が進む状況を目の当たりにし、貢献できることはないかと模索。地域のにぎわい創出や移住者増加の後押しになればと、子育て世代向けのカフェを開設することにした。「息子にとってはふるさとになる場所。大人になったとき、ここで暮らす選択肢を選べる状況にしたかった」と話す。

 カフェは地域で親しまれた旧商店跡を改修した。店名は「sol&mar(ソルアンドマー)」。内装は木の茶色と白色を基調としたやさしい雰囲気にし、中央には絵本やおもちゃを備えたキッズスペースを配置した。飲食はコーヒーやケーキ、アイスクリームなどに加え、ドライフルーツやナッツ類の量り売りも用意した。環境問題などを学べるコーナーも設けた。

 氷見市では、昨年度、市IJU応援センターを介して22組42人が移り住み、移住者は2年連続で過去最多を更新するなど増加傾向にある。斎藤さんは「余川に移住者や新しい店が増えるきっかけになればうれしい。地域の人も気軽に訪れ、子どもたちと触れ合える場所が理想です」と意気込んだ。

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