鏡花の美、舞踊絵巻 金沢おどり開幕

舞扇を手に公子と美女の情愛を舞いで表現したにし芸妓=石川県立音楽堂邦楽ホール

  ●初日から大入り、18日まで 県立音楽堂 

 北國新聞創刊130年記念「第20回金沢おどり」(同実行委員会、一般財団法人石川県芸術文化協会、北國新聞社主催)は15日、金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホールで開幕し、初日から大入りとなった。ひがし、にし、主計町(かずえまち)の金沢三茶屋街の芸妓(げいこ)衆が総出演し、金沢の文豪・泉鏡花の美を踊りで表現する節目の大舞台を心ゆくまで堪能した。

 三茶屋街合同の素囃子(すばやし)「君が代松竹梅」がめでたく披露され、金沢の芸の風格を漂わせた。舞踊絵巻「芸妓艶鏡花絢爛(あですがたきょうかけんらん)」の全八景は、大和(やまと)楽と共に演じられ、回り舞台などを使ったひとつなぎの舞台が観衆を物語の世界に誘った。

 幕開けの「海神別荘」は、神秘の海の城が舞台。にし芸妓が波を思わせる青い布付きの舞扇を手に優雅に舞い、海神の世継ぎである公子と美女の情愛を美しく描いた。

 フィナーレの総おどり「金沢風雅」では、ひがしの真砂美さん、にしの結(ゆい)さん、主計町の桃太郎さんの口上に続き、会場と共に手締めし、節目を祝った。金沢おどりは18日まで、午後1時と4時に開演する。

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