【マイヒストリー】スーパーボランティア 尾畠春夫さん⑥【大分県】 東日本大震災「思い出探し隊」リーダーに

 <東日本大震災では1年半にわたって宮城県に滞在しボランティアを務めた。仲間の精神的支柱として若い人たちからは「師匠」と慕われた>

 2011年3月11日、東日本大震災が起きました。私は71歳でした。ニュースを知って一番先に頭に浮かんだ女性がいました。5年前に佐多岬から宗谷岬までの日本縦断旅をした時、岩手県陸前高田市で会った60歳くらいの女性です。

 雨でテントも寝袋もずぶぬれになり乾かそうとしていたある日、足の不自由な彼女がわざわざ熱々のおこわを持って来てくれたんです。連絡先を聞き礼状を出した方でした。

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