ドラフト上位候補 大阪商業大の2投手 上田大河&高太一を調査 野球解説・天谷宗一郎さん

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
天谷調査隊、ドラフト企画です。今回は、ドラフト上位候補が複数人いる大阪商業大学に行って、話を聞いてきました。

わたしたちは、広島駅から電車を乗り継ぎ3時間、奈良県の関屋駅に降り立ちました。駅からは野球部のマネージャーの送迎付きで、大阪商業大学の野球部のグラウンドへ行きました。わたしの調査は、駐車場から始まります。

マネージャー
― 誰の車、部員の車ですか?
「そうです。選手の…」

― みんな、車で来るんだ。
「はい」

天谷宗一郎 さん
「車、OKなんだ。福井ナンバーがあるよ。福井もいる?」

大阪商業大学 4年 上田大河 投手(大阪大高出身)

まず最初に話を聞いたのは、3年生から2年連続、大学の「侍ジャパン」入りをした 上田大河 投手。バッターのタイミングをずらす、独特なフォームから投げ下ろす154キロの直球と多彩な変化球が武器で、完成度の高い即戦力投手として注目されています。

大阪商業大学 4年 上田大河 投手
― 上田投手の特徴を。
「リーグ戦でもずっと投げさせていただいていて、下級生のころから経験とか、たくさん積ませていただいているんですけど、とにかく負けないというか、ピンチになればギアが上がるというか、強気のピッチングでゼロに抑えてチームを勝たすようなピッチャーというか、そういう特徴を持っています」

― 一番のストロングポイントは?
「150キロ投げるピッチャーはやっぱりいいピッチャーと言われるんですけど、やっぱりゼロで抑えるピッチャーが自分は一番いいと思っているので。変化球であったり、フォームのタイミングであったり、いろんな面においてレベルアップした結果というかが、この総合力につながっているのかなと」

― 投球フォームはすごく特徴がある。足を上げて、一度、ぶらっと下げる。やり始めたのはいつぐらいから?
「大学に入ってからなんですけど、やっぱりまっすぐを待っているバッターにまっすぐを投げないといけない場面ってあるんですけど、やっぱり打たれてしまうので、やっぱり、その中でも緩急をつけるにはフォームであったり、まっすぐの強弱っていうことに気づいたので。待っていないボールと、待ってないタイミング。タイミングをずらすのがけっこう好きなので、相手が嫌がることをけっこう、したいタイプなので、ちょっと実戦でやってみたら思ったよりいけたので」

― けっこう、バッターの反応を見たりして投げていきたいタイプ?
「そうですね」

― 関西でずっと育った。ということは、広島カープの 新井貴浩 監督が、阪神時代、もうゴリゴリ見ている?
「そうですね。はい」

― 藤井彰人 ヘッドコーチもゴリゴリ見ている世代?
「はい」

― なにかとカープにゆかりがあるなと…
「(笑)…かもしれないです。小学校のときに “野球ひじ” になって、有名な病院があって、そこに治療行っていたら、新井さんとお会いして。覚えているか、わかんないですけど、1回握手してもらって、小学6年生なんですけど…」

― まじ? もうそこから一気にファンになって?
「(笑)そうです。いや、でも本当にファンです。ファンというか、めっちゃ応援していました」

― ここから(ドラフト会議まで)どういうふうに1日1日を過ごしていきたい?「今までやってきたことであったり、今、自分が出せるパワー・力を100%発揮できるようにコンディションを整えて毎試合、臨みたいなというふうに思います」

― 全てを出し切ってドラフトを待ちたいと?
「はい。そうです」

大阪商業大学 4年 高太一 投手(広陵高出身)

続いて話を聞いたのが、151キロの力強い直球が武器のサウスポー・高太一 投手。カープのルーキー・河野佳 投手と広陵高校では同級生でした。大学で球速が大幅にアップし、ドラフト上位候補として注目されています。

大阪商業大学 4年 高太一 投手
― 特徴を教えていただいていいですか?
「力強いまっすぐが、自分は今一番の武器だと思っているので、そこを見てもらえれば」

― ストロングポイントは?
「ストレートが武器っていうのはそうなんですけど、その中でも強いストレートをしっかりコース・高さに投げ切ることができるのが自分の特徴で。変化球もそうなんですけど、全ての球が自分の狙ったところに投げられるっていうのがストロングポイントの1つかなと思っています」

― けっこう、球の勢い・強さっていうところにもある程度、一定の自信はありながら、コントロール的なものもけっこう、自信はあると。
「ことしになって特に考え方を変えて、ストレートでも変化球でも自信はだいぶつきました」

― 考え方を変えたというのは?
「『強い球を投げていればいい』っていうのが去年とか、おととし。ことしは、その強い球をどこに投げるかっていうのを意識して」

― 大阪商業大学のピッチャーはすごくレベルが高い。何か秘密・秘けつがあるんですか?
「ことしだと一番トップのピッチャーが上田なので、変化球とかは上田に聞いたりだとか。みんながみんなに聞き合いしながらレベルアップしているので、それが一番、チームの底上げにつながっている秘けつかなと」

― 変化球が多彩な中で一番得意な変化球は?
「フォークボール」

― ここも上田くんと同じ?
「そうですね」

― 高校時代の同級生・河野佳 投手がカープに入団しました。どうですか、刺激や意識するものはありますか?
「ずっと自分よりも雲の上の存在だったのが河野だったんですけど、それが去年、プロに入って、こういうふうにプロの一流の舞台でやっているのを見て、負けられないなという気持ちはもちろん持っているし」

― 一緒の舞台でやりたいと。一緒のユニホーム着たいと?
「そうですね(笑)」

― いいですね。この番組、間違いなく(広陵高校の)中井監督は見てくれていると思うんですけども。だいじょうぶですか? 中井監督ってワード出したら、ピッとなりましたけども。
「(笑)そうですね。しっかり姿勢を正さないと」

― ドラフトへの思いっていうのを聞かせてもらっていいですか。
「もちろんリーグ戦を優勝して日本一に導かないことには、プロなんて道はないと思うので、必ず、まず絶対にドラフト前にこのチームをリーグ戦優勝に導けるようなピッチングをして、最高の状態でドラフトに臨めたらなと思います」

― めちゃくちゃ、いい体をしているよね。

取材ディレクター
「1回、並んで立ってみましょうか」

― ピッチャーと思えない体というか。けっこうウエートトレーニングしている?

大阪商業大学 4年 高太一 投手
「冬は足、下半身のウエートトレーニングをすごくしたんですけど、上半身は最近になって…」

― メリハリが効いている体。なかなかプロでも、ここまでメリハリ利いているピッチャーっていない。野手でもいけそうだな。
「いけるように…(笑)」

◇ ◇ ◇

天谷宗一郎 さん
いや、つたないインタビューに対してもすごく真しに答えてくれた2人なんですけど、まず、上田大河 投手。大学ジャパンも入っていますし、大阪商業大学のキャプテンをしているんです。すごくハキハキと自分の思いを伝えてくれました。

そして、高太一 投手は、すごく何て言うか、謙遜するというか、周りを見ながらプレーできるんじゃないかなっていうのをすごく感じたんです。2人ともタイプ的には違うんですけれども、話を聞いていて、やっぱりプロへの思い、というのもカープだけではなくて、プロに入ったらこういうプレーヤーになりたいというのも聞けましたし、すごく有意義なインタビューさせてもらったなというふうに思います。

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