山あいに響く笛や太鼓 長崎・中尾くんち 4年ぶりに獅子の舞

木々に覆われた境内で迫力ある舞を披露した中尾獅子浮立=長崎市、大山神社

 長崎市田中町で15日、恒例の中尾くんちがあり、住民が市指定無形民俗文化財の「中尾獅子浮立(ふりゅう)と唐子踊(からこおどり)」を奉納。4年ぶりに戻った笛や太鼓の音色が山あいに響き、里をにぎわせた。
 奉納踊は250年以上の伝統がある中尾獅子浮立と明治期に伝わった唐子踊を組み合わせた芸能。子どもから大人まで約70人の演者を含む100人ほどが中尾中央公民館から大山神社まで練り歩き、8カ所で踊りを披露した。
 木々に覆われた大山神社境内でサンコサン(唐子)が愛らしく演じた後は、仔(こ)獅子や月の輪、玉使いが次々と登場し、子どもたちのアクロバットに拍手喝采。大獅子は5色の毛を振り乱し、ボタンの花に戯れる「花しぶり」などの大技で観客を魅了した。
 松尾泰成さん(24)は、今回初めて獅子方として出演。祖父の七郎治さん(79)は「頑張れよ~」と声をかけながら踊りを見守った。シャギリの太鼓方として活躍していた七郎治さんは「なかなか上手。最後はきつそうでしたけど」とねぎらった。泰成さんは大役を終え「もっと体力をつけて、メリハリのある獅子を演じたい」と話した。

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