「王者として重要な大会を戦わなければ」代表招集拒否のスペイン女子代表選手たちの声明、同意しなかったW杯優勝メンバーが理由を明かす「私は何よりもプレーしたい」

[写真:Getty Images]

レアル・マドリーのスペイン女子代表FWアテネア・デル・カスティージョが、同意しなかった声明について自身の考えを明かした。

オーストラリ&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)で見事に優勝したスペン女子代表。しかし、メダルが授与されるセレモニーでスペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長がFWジェニファー・エルモソの唇にキス。これが大きな問題に発展した。

エルモソは望んでいないキスをされたとすると、世界中で批判がルビアレス会長に集中することに。しかし、ルビアレス会長は自身の行動を一度は謝罪するも、「合意の上だった」「辞任する気はない」と主張を繰り返すことに。ただ、国際サッカー連盟(FIFA)から懲戒処分を受けると、エルモソも正式に告訴。その結果、会長を辞任することとなった。

一方で、スペイン代表の選手たちや候補選手たちは連盟で改善がない限り代表招集に応じない意向を発表。RFEFはホルヘ・ビルダ監督も解任し、体制が変わったRFEFだったが、UEFA女子ネーションズ・リーグに向けたメンバーが発表される予定の15日に、39名の選手が更なる改善を要求し代表招集を拒否する声明を発表していた。

これにより、スペイン女子代表メンバー発表は延期されることとなった、女子W杯優勝メンバーのうち2人が声明にサインしていなかった。1人は、レアル・マドリーのMFクラウディア・ソルノサだったが、女子W杯をもって代表引退を決意したとのこと。もう1人が、カスティージョだった。

カスティージョは自身のX(旧ツイッター)を通じて、自身が声明に同意しなかった理由を説明。ルビアレス元会長の行為やRFEFの体制に対しての不満や訴えには同意しているものの、まずは代表選手としてプレーすることが大事だと考えていると明かした。

「ここ数時間の出来事を受け、私の意見と決断を下した全ての理由を述べたいと思う」

「今回発表された声明を掘り下げる前に、私の考えを明確にしておきたいと思う。仲間がすでに述べているように、ジェニ・エルモソに起こった全てのことを非難し、ルイス・ルビアレスの全く場違いで遺憾な行動を指摘することに、私は完全に同意する」

「このため、私は他の80人の選手たちと共に、この事件を非難する声明に署名し、ルイス・ルビアレスが引き続きその職に就くならば、代表チームに行かないと表明した」

「この声明とその後の出来事の後、誰もが知るように、ルイス・ルビアレスとホルヘ・ビルダはもはやRFEFにいない。ただ、ネーションズリーグの戦いが近いこと、そして私たちの要求の重要な部分が満たされていることを考慮すると、代表チームへの招集を断ることは考えていない。その主張を明確に示したいと思う」

「まず第一に、私たちはサッカー選手。ここ数週間に起こったことを考慮すると、それを思い出しておいて損はない。私たちはプロフェッショナルとして、その義務を果たさなければならない」

「第二に、私たちが要求する変化には名前と姓があり、それらを引き起こす、または少なくともそれを始めるのに最良の方法は内部からであると私は信じている」

「もちろん、それは必要だと思うけど、RFEFが全く不確実な状況にあることも承知しているし、現時点で指揮を執っている人たちを信頼したいと思っている。私たちは、そのために指定されたわけではないため、選手が私たちが求めているこれらの変更を行うことはできないことは明らかだ」

「また、オリンピック出場のチャンスを与えてくれる非常に重要な大会を戦わなければならないと思う。私たちは世界王者のチームであり、それを忘れてはいけない。選手たちは皆、スペインのスポーツ界で最も重要な偉業の1つを達成した後、酷い数週間を過ごした。私は特にサッカーに行きたい、サッカーを見たい、そして何よりもプレーしたいと思っている」

「要するに、私は自分が考えていること、やりたいことを表明し他のであり、それ以上でもそれ以下でもない。この状況を完全に終わらせて、サッカーのことだけを考え、プレーし、見て、楽しむことに戻りたいと思っている」

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