珠洲の海、食を堪能 芸術祭合わせ「レストラン」

プレオープンを迎えた潮騒レストラン=珠洲市大谷町

  ●地元の食材使用

 珠洲市が大谷町で整備した「潮騒(しおさい)レストラン」が16日、プレオープンを迎えた。能登外浦の高台に位置するレストランは、全面ガラス張りの開放的なスペースから日本海を一望でき、開幕を1週間後に控える奥能登国際芸術祭2023(北國新聞社特別協力)に合わせて整備された。68人が来店し、水平線で区切られた海と空のコントラストを眺めながら、地元の食材をふんだんに使ったメニューに舌鼓を打った。

 レストランは芸術祭の主要施設の一つ、スズ・シアター・ミュージアム「光の方舟(はこぶね)」に隣接。国際的に活躍する建築家の坂茂(ばんしげる)氏が設計を担当し、海岸線に沿うように長さ約40メートル、幅約5メートルの敷地に整備された。

 メニューはレストランを展開する「ぶどうの木」(金沢市)が監修した。宗玄酒造(珠洲市)の酒かすに漬けた能登豚のローストや、アオサノリとサザエを具にしたパスタのほか、二(に)三味(ざみ)珈琲(コーヒー)(同)の豆を使ったコーヒーも用意された。

 外浦は飲食店が少なく、過去の芸術祭で「ランチ難民」が課題に上がったこともある。レストランに期待する声は多く、金沢市の会社員岡上真弓さん(60)は「店に入ってテーブルに至る通路から海が見え、わくわくした。料理もおいしくてボリュームがあった。また来たい」と話した。

 レストランは展望デッキのほか、芸術祭のインフォメーション機能も備える。11月12日までの芸術祭会期中は毎日営業する。店長の加藤元基(もとき)さん(32)は「魅力あふれる珠洲の食材を、多くの人に知ってもらいたい」と意気込んだ。

© 株式会社北國新聞社