町一帯が美術館 富山県南砺市井波でまちなみアート開幕、寺・商店・住宅に300点

特別公開された勇壮なトラのふすま絵を鑑賞する来場者=南砺市井波別院瑞泉寺の「勅使御待ち受けの間」

 富山県南砺市井波地域中心部を美術館に見立て、アート作品を展示する「まちなみアートinいなみ2023」が16日、開幕した。木彫刻や生け花、工芸など多彩な作品がまちなかを彩り、来場者は「芸術の秋」の風情に浸った。17日まで。

 井波別院瑞泉寺や八日町通り、本町通りの商店、住宅など計74カ所に約300点を展示。瑞泉寺では普段立ち入ることのできない「勅使御(お)待ち受けの間」にある勇壮なトラのふすま絵を特別公開した。

 妙蓮寺などでは「お寺でアート展示&いけばな展」と題し、生け花と共にキルトや洋画、書が飾られた。地元彫刻師や観光ガイドの解説を聞きながら町を巡る恒例の「欄間ウォーク」もあり、市内外から訪れた参加者がじっくりと鑑賞を楽しんだ。

 夜は「灯(あか)りアート」と銘打ち、アニメキャラクターなどが描かれた行燈(あんどん)約200個が瑞泉寺の山門前や八日町通りを照らした。幻想的な雰囲気の中、井波地域伝統の木遣(や)り踊りも披露された。

 17日は瑞泉寺の境内でクラシックカーの展示や、日本各地から取り寄せた即席麺を販売する「全国袋ラーメン博」なども行われる。

 市観光協会井波支部や井波美術協会、井波彫刻協同組合でつくる実行委員会主催。北日本新聞社共催。

生け花とともに洋画などが飾られた「お寺でアート展示&いけばな展」
「灯りアート」で、行燈に照らされる瑞泉寺の境内
地元彫刻師(右から2人目)らの解説を聞きながら町を巡った恒例の「欄間ウォーク」
井波中学校の生徒の作品を鑑賞する来場者

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