釜石市小川町の酒造会社・浜千鳥(新里進代表取締役)は10月、創業から100年を迎える。岩手県内外に多くのファンを持つ酒蔵は1933(昭和8)年の昭和三陸大津波や45(同20)年の釜石艦砲射撃で社業の歩みを知る写真や記録のほとんどを失った。節目に歴史をたどろうと、30日まで市民や元従業員らに資料提供を呼びかけている。
「酒蔵にあって100年は『新人』だが、次の100年に向け歴史をまとめたい」。新里代表取締役(65)はモノクロ写真や古い商品ラベルなどを前に思いを語った。
これまでに元従業員やその家族らから写真が寄せられ、現在製造していない銘柄の「誉新関(ほまれしんぜき)」や「金蓮(きんれん)サイダー」などが確認できた。酒販店にあった社名入りのじょうご置き、第2次世界大戦直前のわずかな期間だけ使われたとみられるアルファベット表記の包装紙なども確保した。
問い合わせは同社(0193.23.5613)へ。