「盤持ち石」7個、住民掘り出す 小矢部・松尾 県道沿いに移動

盤持ち石を掘り出し、移動させる住民=小矢部市松尾

 小矢部市松尾の地蔵広場で17日、約60年前から埋まっていた「盤持ち石」が地元住民の手で掘り出された。万葉歌人・大伴家持が参拝したと伝わる松尾神社や、平安末期の女武者・巴御前が進軍したとされる「松尾古道」が近くにあり、住民は今後、広場前を通る県道沿いに並べ、散策する人に楽しんでもらう。

 市内では、明治から大正にかけて各地の神社境内などで石を使った力比べ「盤持ち大会」が盛んに行われていた。昭和初期に衰退し、現在は行われていないが、盤持ち石は各地に残る。

 地蔵広場での大会は六十数年前に行われなくなり、盤持ち石は土留めとして使われていた。市民有志でつくる「ふる里おやべ再発見推進委員会」の松井賢三事務局長(74)が地元の文化を後世に伝えようと、地元住民に協力を依頼した。

 この日は、住民5、6人がつるはしやバールなどで重さ約70キロ~150キロの7個を持ち上げ、5~6メートル先の地蔵前まで移動させた。松井事務局長は「石に触れることでパワーをもらえると思う。多くの人に地元の歴史を知ってほしい」と話した。

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