耐雪性に優れた牧草を開発 農研機構東北センター

耐雪性に優れた牧草の新品種クワトロ-TK5(農研機構提供)

 盛岡市下厨川の農研機構東北農業研究センター(川口健太郎所長)は、耐雪性に優れた牧草の新品種「クワトロ-TK5」を開発した。従来の品種より根雪期間が長い地域でも栽培が可能となり、関東以西では一般的な飼料用トウモロコシとの二毛作が岩手県でも可能となる見通しだ。9月から種子の販売を始め、生産者の所得向上につなげる。

 「クワトロ」は、ウシの吸収が良く栄養価に優れたイネ科牧草イタリアンライグラスの新品種。わせ品種で9月に種をまき、翌5月に収穫する。5月から翌9月には、飼料用トウモロコシの栽培ができる。

 従来のわせ品種は、積雪深10センチ以上の根雪期間が60日を超えると病気が発生して葉が枯れ、減収する。盛岡市の根雪期間は例年70日ほどで、県内では二毛作が行われていなかった。新品種は根雪期間が80日間ほどの地域でも栽培できる。新品種が普及すると、わせ品種の栽培可能地域が全国で40%拡張する計算だ。

 購入に関する問い合わせは雪印種苗盛岡営業所(019.613.3567)へ。

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