心に染みる哀愁の調べ 富山県南砺市で城端むぎや祭、競演会や総踊り

麦屋節の笠踊りを披露する西下町の踊り手=城端別院善徳寺

 富山県南砺市の秋を彩る第71回城端むぎや祭が17日、同市城端地域中心部で開かれ、「越中の小京都」と呼ばれるまちに哀調を帯びた旋律が響いた。大勢の観光客が心に染み入る五箇山民謡の素朴な調べを楽しんだ。

 同祭は1951年に始まり毎年2日間行われていたが、新型コロナウイルス対策や参加する住民の負担軽減のため、3年ぶりの開催となった70回目の昨年から1日だけとなった。

 むぎや踊り競演会が城端別院善徳寺で開かれ、町内や団体ごとに「麦屋節」や「古代神(こだいじん)」、「お小夜節」などを披露。紋付きはかまの男性はきびきびと、着物姿の女性はしなやかに舞った。城端伝統芸能会館じょうはな座でも開かれた。

 夜は歩行者天国になった西町商店街で「総踊り」があり、踊り手と観光客が一緒になって輪踊りを満喫した。総踊り参加者には「むぎや節新歌詞」が染め抜かれた手拭いが配られた。

 城端むぎや祭協賛会主催、北日本新聞社共催。

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