モンツァ、故ベルルスコーニ会長の金言刻んだプレートを本拠地に設置 「信じる者は抗い、最後に勝つ」

カルチョへの情熱は最後の最後まで衰えなかった[写真:Getty Images]

モンツァが故シルヴィオ・ベルルスコーニ会長(享年86歳)の功績を称えるプレートを本拠地に設置した。

サッカーファン以外にも世界的にその名が通ったイタリア人実業家・ベルルスコーニ氏。若き日に建設業界で大成功を収めると、程なくしてイタリアのメディア業界においてもNo.1の大物に。これらを足がかりに政界へと進出し、3度(4期)にわたってイタリアの首相を務めた。

政治活動などと並行してミランのオーナー・会長も2012年まで務め、在任中はセリエA優勝7回、チャンピオンズリーグ(CL)優勝5回。ベルルスコーニ氏が束ねた20世紀後半のミランはカルチョの黄金期をけん引する存在であり、力強くも優雅にその名を全世界に轟かせた。21世紀に入ってからもカルロ・アンチェロッティ監督時代に大きな成功を収めている。

2018年に当時セリエCのモンツァを買収すると、クラブは昨季からセリエAに初昇格。80代後半を迎えてもカルチョへの情熱が衰えることはなかったが、今年6月12日、白血病のため86歳で逝去。亡くなる2カ月前にはモンツァが“敵地”サン・シーロでインテルを初めて撃破する快挙を入院中の病室から見届けた。

サッカー界でも政界でも過激な発言を繰り返し、その度に各方面から大きな批判を浴びてきたベルルスコーニ氏。それでも周囲からの人望は厚く、モンツァの選手たちがインテル撃破後、帰路につくチームバスの車中で入院中の同氏に捧ぐチャントを全員で歌ったことも話題となった。

モンツァは17日、そんなベルルスコーニ氏を称える形で本拠地U-POWERスタジアムの関係者席にプレートを設置。この座席はベルルスコーニ氏が生前座っていた“定位置”であり、「信じる者は闘う。信じる者は全ての困難を克服する。信じる者は抗い、最後に勝つ」という同氏の遺した金言が純金のプレートに刻まれている。

モンツァはこれからもベルルスコーニ氏とともに歩んでいく。

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