実車使って交通救助訓練 北関東道や新4号...重大事故など懸念の宇都宮・南消防署管内

実車を使い、真剣な表情で救助訓練に当たる隊員たち

 【宇都宮】南消防署は15、16の両日、上横田町の亀田自動車で、実際の車両を使っての交通救助想定訓練を行った。

 同署管内には北関東自動車道や国道4号、新4号国道、宇都宮環状道路(宮環)など幹線道路が多く、重大事故の発生が懸念される。また災害時、車両内に取り残される人が出る可能性もあることなどから、毎年1回、防災月間であるこの時期に同訓練を実施している。

 実車を使用しての訓練は車両や訓練場所の都合などで、なかなかできないのが実情。同社の亀田敏一(かめだとしかず)社長(52)と妻の宏美(ひろみ)さん(52)は、緊急車両の整備等を行っていた関係から、「実際に救助工作機器を使って実車で訓練できないか」との同署からの要望を受け、2012年から訓練に使用する車両と場所、訓練後の廃車処理までを無償で提供し続けている。同署の渡辺直樹(わたなべなおき)副署長は「貴重な訓練ができる」と感謝している。

 15日は雨天だったが、「実際の救助は雨の日も多い」として訓練を実施した。近年、電気自動車(EV)など車種によっては救助の際に危険になることもある。そこでベテラン隊員が若手に車種による救助手順の違いを説明しながら車両のドアを切断するなど、隊員たちは真剣な表情で訓練を繰り返していた。

© 株式会社下野新聞社