10月21日に幕を開ける「全国高校サッカー選手権大分県大会」。36チームが集い、憧れの選手権を目指す。３年生にとっては高校部活動の総決算となる大一番だ。今年も混戦が予想される。どのような熱戦が見られるのか。シード校を中心に注目チームを紹介する。第１回は、新チーム立ち上げの最初の公式戦となった県高校新人大会で優勝した柳ケ浦だ。
チームパラメーター
攻撃力 ７
守備力 ７
組織力 ８
体力 ８
精神力 ８
３年生力 ９
新チームが立ち上がったときからメンバーを固定せず、チーム内で競争を促してきた。部員80人を超える大所帯であるため、有門寿監督は「誰にでもチャンスを与えたい。特に３年生は最後の大会。思いをプレーで表現してほしい。同じレベルの選手であれば、気持ちの強い選手を選ぶ。最後の最後まで競ってほしい」と、選手登録変更期限までメンバー選考をすると明かした。
２月の県高校新人大会で優勝し、幸先の良いスタートを切ったが、「勝ったことで自信が慢心になった」とキャプテンの橋本琉唯（３年）。試合では強度の高い守備が形を潜め、簡単に失点する場面が増えた。６月の県高校総体の準決勝敗退後は、攻撃から守備の切り替えの速さを重点課題としてチーム再建に取り組んだ。夏休みはけが人や体調不良者が多く、全体練習ができた日数は少なかったが、選手個々の体力アップに時間を充てた。
県予選に向けて、「俺たちが軸になって、１、２年生がついて行きたくなるチームになろう」という橋本の呼びかけで19人の３年生が結束。チームの一体感は高まっている。練習からいい緊張感があり、気の抜けたプレーには怒号が飛ぶ。高いレベルを要求できるようになり、プレー精度は高まった。県外遠征で強豪校相手に、練習試合ではあるが勝つことで自信も深めている。「これまでやってきたことに間違いはない」（橋本）と思えるようになった。
運動量をベースに、球際で戦うスタイルに力強さが戻った。外園優心（２年）は「夏休みの階段と砂浜ダッシュのおかげ。フィジカル勝負では負けない」と胸を張る。一発勝負のトーナメント戦において、「失点しないこと」は全員の共通認識だ。県高校新人大会に続いて、全試合無失点の「オール・クリーンシート」で頂点を目指す。
（柚野真也）
