海洋研究開発機構(JAMSTEC)や九州大などの研究チームは、2020年に探査機はやぶさ2が地球に持ち帰った小惑星りゅうぐうの砂試料に、塩をつくる物質の一つであるナトリウムイオンが多く含まれていたとの研究結果を18日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。分析の中心メンバーで、JAMSTEC生物地球化学センターの高野淑識(たかのよしのり)センター長代理(47)=栃木県矢板市出身=は「地球上で生命に不可欠な塩がりゅうぐうに確実に存在することを示している」と意義を強調した。
高野さんは今後の研究に向け「初期太陽系の物質進化をひもとき、地球や海、そして生命誕生の謎に迫る鍵となる発見だ」と期待を込めている。