青葉被告、「ハルヒ」の文体まねて創作 自作小説巡り説明

青葉真司被告

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第7回公判が19日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。青葉被告は、京アニ作品の「涼宮ハルヒの憂(ゆう)鬱(うつ)」を見て「こんなすごいアニメがあるのかと」と思い、同作品の原作となったライトノベルの文体をまねて小説を作った、と説明した。検察側の質問に答えた。

 検察側は、青葉被告が執筆し、京アニの小説コンクールに応募した作品「リアリスティックウェポン」について質問した。検察側は「ハルヒ」と類似した世界観を目指したと指摘し、「影響を受けたのか。文体をまねたか」と問われると、青葉被告は「それ(ハルヒ)が小説だと思って書いていた」と説明した。

 被告人質問で青葉被告は、2009年5月ごろ、インターネットゲームにのめり込んでいた時にテレビで同作品を見た際、「ネットゲームと同じくらい面白い」と感じたという。視聴後すぐに、同作品シリーズのライトノベル約10冊を「大人買いした。2日くらいで読破した」といい、シリーズを読んだことで小説を書き始めたと振り返った。

 青葉被告はこれまでの被告人質問で、弁護側の質問に、小説を書き始めた動機を「(自分の過去の)犯罪をばらされると生活がそのつど不安定になる。小説に全力を込めれば、暮らしていけるのではないかと思った」と陳述。「涼宮ハルヒの憂鬱」をきっかけに、当時創設されたばかりの「京都アニメーション大賞」を知って「『上りエスカレーター』に乗りたい」と思うようになり、応募を目指したと説明していた。

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