吉田屋(青森・八戸市)の駅弁で100人超食中毒か 16、17日販売 全国に体調不良者

 八戸市保健所は19日、同市の駅弁製造・販売業「吉田屋」が16、17日に販売した一部の駅弁を食べた人が相次ぎ下痢や嘔吐(おうと)など体調不良になったと発表した。19日午前までに同保健所が把握した体調不良の報告は青森県外の約100人。県内での報告はないが、報告件数は拡大している。同保健所は食中毒の可能性があるとして原因を調べている。

 吉田屋は17日、16日と17日に販売した11種類の駅弁に商品不良があったとホームページ上で公表した。同保健所によると、福島県や関東などのスーパーで開かれた駅弁フェアで吉田屋の商品を購入した人が発症。全国約40保健所から八戸市保健所に体調不良の情報が寄せられている。

 スーパーのヨークベニマル(福島県郡山市)、ヤオコー(埼玉県川越市)は19日までに、自社の店舗で販売した吉田屋の駅弁に商品不良があったと公表。埼玉県食品衛生課によると、19日までに10人から体調不良の報告があった。

 19日夕、八戸市庁内で会見した同市保健所の石井敦子副所長は「消費期限が16、17日の対象商品を持っていても食べないでほしい。食べた後に下痢や嘔吐を発症した場合は保健所に連絡を」と呼びかけた。

 吉田屋は1892(明治25)年創業の老舗で、代表商品は「八戸小唄寿司」。八戸駅近くに本社を構え、JR北海道新函館北斗駅構内にも出店している。

 吉田広城社長は19日、ホームページ上で「数ある商品の中から期待を込めて購入されたお客さまを悲しませる結果となり、心よりおわび申し上げる」とコメントした。

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