青森県内地価、下げ幅改善 青森市中心街で上昇、都市部の土地需要旺盛

県内商業地で地価の上昇率がトップだった青森市新町1丁目「新町通り商店街・アセントビル」

 青森県は19日、土地の取引価格の目安となる7月1日時点の県内地価(基準地価)を発表した。前年と比べた土地の値動きを表す平均変動率は住宅地や商業地、工業地などを合わせた全用途でマイナス0.6%。1992年から32年連続の下落となったが、下げ幅が前年(0.9%)から0.3ポイント縮小し、改善が見られた。特に青森市中心街は価格が上昇し、商業地の上昇率は、同市新町1丁目「新町通り商店街・アセントビル」がプラス5.6%で県内トップだった。

 全用途の1平方メートル当たり平均価格は前年比100円高の1万9600円で、31年ぶりに上昇。新型コロナウイルス禍による土地取引の停滞がほぼ解消され、都市部の住宅地や商業地を中心に土地需要が旺盛となった。

 調査を担当した不動産鑑定士の森政浩氏は変動率の改善を「過去1年はコロナの影響がほとんどなく、景気が順調に回復した」と説明。変動率が下落する中で平均価格が上昇したことについては「県全体の土地需要の低下は続いているが、青森市中心街など一部地点の価格上昇が平均を押し上げたため」と述べた。

 用途別に見ると、商業地の変動率はマイナス0.8%で下げ幅が0.2ポイント縮小した。平均価格は前年と同じ3万3400円。価格上昇は91地点中10地点で、昨年の4地点から増えた。

 最も高かった地点は青森市新町1丁目「成田本店」の19万5千円で34年連続1位。下落率は、佐井村佐井大佐井「佐井小学校東方」がマイナス3.9%で県内最大だった。

 住宅地の変動率はマイナス0.6%で0.3ポイント改善した。平均価格は前年比200円高の1万6100円で、16年ぶりに価格が上向いた。価格が上昇したのは267地点中50地点で、前年(23地点)から倍増。このうち34地点を青森、弘前、八戸の3市が占めた。

 地点別の最高価格は青森市浜田2丁目「イトーヨーカドー青森店東方」で8万1900円。基準地価調査の対象外だったが、国土交通省が3月に公表している公示地価の調査地点に合わせる形で今年から追加された。上昇率トップはおいらせ町木崎「イオンモール下田南方」でプラス5.9%、下落率のワーストはむつ市脇野沢小沢「小沢寺西方」でマイナス3.6%。

 調査は県内40市町村を対象に前年と同数の421地点で実施した。

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