「亡くなった娘が好きだったから」…98歳女性、5年間で折り鶴10万羽 福井県の高齢者施設にプレゼント

折り鶴10万羽を施設に贈った黒川とよ子さん(前列左から2人目)=9月18日、福井県坂井市春江町のゆりデイサービスセンター

 福井県坂井市春江町の「ゆりデイサービスセンター」で敬老の日の9月18日、白寿、米寿を迎えた利用者を祝う敬老会が開かれた。席上、数え年で白寿を迎えた利用者の黒川とよ子さん(98)が、長年作り続けた折り鶴10万羽を同施設に贈った。

 黒川さんは昔から裁縫で手が器用で、10年ほど前から折り鶴を始めた。10万羽の鶴は自宅で5年前に折り始めたという。千羽ごとにつり下げられ、カラフルな飾り物のよう。千羽鶴全体の模様も黒川さんが考えるという。黒川さんは「折り鶴は先に亡くなった娘が好きだったから」と話していた。

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 敬老会では利用者30人を前に、江端和彦施設長(57)が寄贈を報告、折り鶴を手に記念撮影を行った。黒川さんには同じ白寿祝いの女性(98)と米寿祝いの女性(87)とともに記念品が贈られた。また、福井市のボランティア団体「レゾンデートル」によるダンスもあり、利用者全員が踊りに合わせ手をたたくなどしていた。

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