川平小ありがとう 旧校舎に感謝の別れ 解体前に卒業生ら、壁や床に思い出描く 長崎市

教室の床や壁にメッセージを書き込む来場者=長崎市、旧川平小

 2020年3月末に閉校した長崎市川平町の旧市立川平小の校舎が解体されるのを前に17日、地元住民らが感謝の気持ちを伝えるイベント「川平日和」を開いた。壁や床に思い出を描き、143年にわたり地域を見守り、交流の場として親しまれてきた学校に別れを告げた。
 同校は1877年1月に開校し、同校舎は1986年3月に完成。約2300人が卒業した。閉校後は体育館や運動場をスポーツで利用する地域住民に開放してきた。来年度から全ての解体を始め、中部学校給食センターに生まれ変わる。
 川平日和は五つの自治会などからつくる川平小学校区コミュニティ連絡協議会設立準備委員会が主催。地域のPTAや長崎純心大、企業などが協力した。

壁に書かれたメッセージ

 子どもからお年寄りまでが家族らと足を運んだ。卒業生らは「懐かしい」「寂しくなる」と語り合いながら、教室の壁や床にペンでメッセージや絵をかいた。「明治時代から5代お世話になりました」「たくさんの思い出をありがとう」「オープンスペースでのべんきょう編み物とっても楽しかった」などの言葉が並んだ。
 玄関や廊下に焼きそばや射的などの縁日ブース、体育館でバンド演奏や変面ショーなどのステージプログラムもあり、にぎわった。同委員会の野口保久委員長は「今まではみんなで地域の困り事を解決してきた。川平小学校がなくなる今、そのつながりを別の形で見詰め直していきたい」と語った。 

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