高級養殖カレイ、猛暑で大量死 青森県内 早生リンゴ「つがる」に日焼けも

 青森県は19日の県議会農林水産常任委員会で、今夏の猛暑による農林水産物の被害状況を明らかにした。佐井村や六ケ所村で養殖試験中のカレイの一種の高級魚マツカワが大量死したほか、リンゴの早生(わせ)種「つがる」は、生果として流通可能な軽度のものも含めて1~2割に日焼けが確認された。

 県によるとマツカワは8月中旬~下旬、佐井村佐井地区で約3360匹、六ケ所村泊地区で約2700匹が死んだ。ともに漁協が海面養殖していた。生息に適した水温は10~24度だが、両地区の海水温は一時28~30度まで上昇した。

 中泊町小泊地区の陸上養殖では約2200匹、外ケ浜町竜飛地区でも約2千匹が死んだ。県水産振興課の種市正之課長は常任委で「技術開発など、高水温によるへい死を軽減する養殖方法の検討を進める」と答弁した。

 このほかむつ市の養魚場でニジマス約2千匹のへい死も確認された。

 陸奥湾の高水温に関し種市課長は、漁業者がホタテガイの高水温対策として出荷時以外は養殖施設を水温の低い下層に沈めたままにしている-として、ホタテのへい死は「確認されていない」とした。

 リンゴはつがるの日焼けに加えて、中生種「トキ」「ジョナゴールド」の一部に落果が見られる園地があった。水稲では、コメが白く濁る「白未熟粒」や米粒にひびが入る「胴割れ」などの高温障害が既に一部地域で目立ち始めているといい、早期刈り取りを呼びかけている-とした。

 ダイコンやキャベツは、内部が黒く変色したり、内側の葉先が褐変したりするなどの被害が見られ、年間出荷量が約1~2割減となる見込みという。

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