静岡県は20日、「地価調査」の結果を公表しました。県内は観光地ににぎわいが戻ったことで、住宅地と商業地の価格の下落率は、前の年に比べ、減少しました。
毎年9月に県が発表する「地価調査」。価格は7月1日時点のもので、土地取り引きの指標となっています。
県内の平均価格の変動率は、住宅地と商業地で15年連続の下落となりましたが、前の年に比べ住宅地でマイナス0.5%、商業地でマイナス0.2%と下落幅は縮小しました。
(杉本 汐音 記者)
「静岡市葵区呉服町2丁目は県内の商業地として25年連続で最も高い価格となりました。
静岡市の中心部にあるこの土地が、1平方メートルあたり143万円で、前年と同じ価格となりました。2023年は住宅地と商業地で下落したものの、下落幅は縮小。工業地では、2年連続で増加に転じています。この理由について調査した不動産鑑定士は…。
(不動産鑑定士 木村 満義さん)
「(新型コロナが)5類に移行した中で、人の動き、社会経済活動が正常化して戻ってきている、感染拡大している話を聞きつつも、皆さん外出したり飲食したりというのは普通に戻ってきている、その意味ではコロナから回復途上にあると言える」
コロナ禍からの回復が顕著となったのは…。
(杉本 汐音 記者)
「静岡市葵区鷹匠です、ことしは新型コロナが5類に移行して買い物客が増えたことで商業地としての価格が上がったということです」
大型商業施設に近いこの地区。2022年と比べ3.7%価格が上がりました。一方、新型コロナで大きなダメージを受けた観光地・熱海は、県内で最も変動率が大きく、2022年より13.4%上昇しています。
平均変動率を市町別でみると、通勤圏として人気が高い長泉町や三島市、愛知方面からの需要もある湖西市や、生活利便性の良い静岡市が上位になっています。一方、下落率の上位は、ほとんどが沿岸部の市や町で、津波などのリスクを懸念した下落傾向が続いています。