ジャニーズJr.林一敬、日本三大名探偵のひとりを舞台で主演

明智小五郎や金田一耕助と並んで「日本三大名探偵」と言われる、神津恭介が活躍する推理小説を舞台化した『呪縛の家』。東京・福岡公演を経て、9月21日からはじまる大阪公演を前に、神津役の林一敬(ジャニーズJr.)と、松下研三役の濱田龍臣の会見が大阪市内でおこなわれた。

舞台『呪縛の家』で主役・神津を演じる林一敬(ジャニーズJr.) (9月20日・大阪市内)

■ 優れているのは「悩まないところ」(林)

原作は、高木彬光の同名小説。東京大学法医学部の天才学者・神津恭介が、新興宗教「紅霊教」の教祖一家をめぐる連続殺人事件の謎を解く。林いわく、神津が明智や金田一より優れているのは「悩まないところ」だそう。

「ほかの方は(推理で)悩まれたりするけど、神津は状況を見ただけで『これはこうです』とはっきり言うんです。3人のなかで、推理力は一番高いのでは」と評し、その天才ぶりに説得力を持たせるために「語尾を間延びさせず、言い切ることを意識した」と台詞回しを重視。濱田からも、厳しくイントネーションを矯正されたことを明かした。

■ 自分の役割は「観客と同じ目線」(濱田)

対する濱田が演じる松下は神津の友人で、この物語の語り部も務める。神津の天才ぶりを際立たせるために「普通の人でいること」を心がけたそう。

「松下が普通の人であればあるほど、神津とのコントラストが出るので。序盤は僕が物語を進めるから、どれだけお客さまを世界観に引き込めるのかも挑戦でした」と演技の狙いを明かし、さらに「松下は観客と同じ目線にいて、観客が『こうなのかな?』と思うことを神津に聞く人。そのために、舞台で起こることをニュートラルに受け取ることを徹底していました」と、自分の役割を語った。

■ 舞台上では「違う意味で事件が発生」

「大阪で(公演が)終わる寂しさはあるけど、ここですべてを絞り出して、さらに成長した姿を見せたいです」と意気込む林だが、毎公演彼を悩ませている人物との対決には、ちょっと戦々恐々としている模様。

「片岡(鶴太郎)さんが、たまに舞台上で笑わせに来るんです。我慢するために右の下唇を噛み過ぎて、口内炎ができました(笑)」という被害を語ると、濱田も「(神津の)登場シーンで、いろいろ言ってきたりするんです。違う意味で事件が発生しました」と便乗。林は「明日(大阪初日)は、左(の唇)を噛むようにします」と対策? を明かした。

林と濱田以外の出演者は、手島麗央(ジャニーズJr.)、岡田達也、内海光司など。脚本は須貝英、演出と構成は野坂実が担当する。大阪公演は「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)にて24日まで。チケットはS席前売9500円、当日1万円で、A席は各1000円引。最新のチケットの情報は、公式サイトでご確認を。

取材・文・写真/吉永美和子

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