【タイ】タイ産マンゴスチン、新措置で日本輸出[農水]

蒸気による熱処理なしで日本に輸出されたタイ産マンゴスチン=19日、東京・品川区(NNA撮影)

タイ産マンゴスチンの新しい輸出措置が日本で認められたことに伴い、在日タイ大使館が19日、同果物のPRイベントを開催。輸入業者や飲食業界の関係者らが参加した。

マンゴスチンはタイを中心とした東南アジアや南米の一部で生産されるトロピカルフルーツで、タイでの生産シーズンは2~10月。大きさは直径5センチ程度で、濃い紫色の果皮が特徴。真っ白な果肉は上品な甘みと酸味を併せ持ち「果物の女王」とも呼ばれている。

日本には2003年から生果実の輸出が認められているが、害虫駆除のため「蒸熱処理」と呼ばれる蒸気による熱処理を施すことが条件となっていた。

タイの農業・協同組合省は、コスト削減と果実の鮮度保持を目的として、蒸熱処理を省いた輸出方法を19年から日本の農林水産省に提案。協議を重ねた結果、指定園地で生産といった条件を満たしたマンゴスチンに限り、今年8月から蒸熱処理なしで輸出可能となった。

シントン・ラーピセートパン駐日大使は「タイ現地で食べているかのように、新鮮でふわふわの果肉を味わえる」と鮮度とおいしさをアピールした。

タイの農業・協同組合省ほかによると、2022年のマンゴスチン生産量は25万2,006トンで、その約8割にあたる20万5,804トンを輸出。日本には82.4トン輸出された。

農務担当のサコン・ワナセッティー参事官は「対日輸出の量はまだ少ない状況。今回の新措置で今後2年以内に年間1,000トンまで増やすのが目標」とコメント。価格的にも処理コスト削減が反映され、より安価に日本の消費者に提供できる可能性があると期待を寄せた。

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