桑島化石壁のパネル 恐竜パークで常設展示

先端技術を駆使して制作された桑島化石壁のパネル=白山恐竜パーク白峰

  ●北國新聞社が寄贈/「実物と見比べて」

 北國新聞社が白山手取川ジオパーク推進協議会に寄贈した1億3千万年前の地層「桑島化石壁(かせきかべ)」のパネルが20日、白山恐竜パーク白峰(白山市桑島町)に搬入され、常設展示が始まった。ユネスコの世界ジオパーク認定を記念したパネルは実物の30分の1の大きさで、先端技術により岩肌や地層が鮮明に表現されている。来場者は迫力あるパネルに見入り、大地の奥深さを感じ取った。

 パネルは北國新聞創刊130年記念事業である「手取川環境総合調査」の一環で制作された。寄贈を受けた推進協議会は8月中、市役所横の市民交流センターで一般公開し、多くの来場者でにぎわった。

 市全域をエリアとする白山手取川ジオパークについては、10日に世界ジオの認定証が交付された。推進協議会はこれを機に「パネル見学と合わせて実物の桑島化石壁にも触れてもらいたい」とし、化石壁から約400メートルの場所にある恐竜パークでパネルを展示することにした。

 桑島化石壁は国の天然記念物で、これまでに肉食恐竜の歯をはじめ、さまざまな動植物の化石が発掘されている。明治時代にドイツの地理学者ライン博士が植物化石を採集したことを機に国内で調査が進んだため「日本地質学発祥の地」とされている。

 縦2.3メートル、横5メートルのパネルは、化石壁全体のデータを詳細に解析し、草木や岩肌のほか、地層の重なり、無数のひびなどが再現されている。V字形の谷が連なる地形であることも識別できるのが特徴だ。

 市担当者は、パネルと実物を見比べて太古のロマンを感じてほしいとし「恐竜パークで実施する化石発掘体験もPRしていきたい」と話した。

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