“コシヒカリ発言”からまもなく2年…知事給与返上条例案を県議会に提出(静岡県)

“コシヒカリ発言”をめぐり、川勝知事が給与などを返上していなかった問題で、静岡県議会に返上に必要な条例案が提出されました。問題の発言からまもなく2年。給与の返上は実現するのでしょうか。

9月21日から始まった県議会9月定例会。提出されたのが、知事の給与返上のための条例案です。

(川勝知事)

「私の御殿場に関わる不適切発言等に関しましては、県議会をはじめとして県民の皆様に不信の念を抱かせてしまったことを、あらためて深くお詫び申し上げます」「本議会において、私の不適切発言に対するペナルティとして、私の給与を減額する条例案をお諮りしております」

問題の発端となったのは、2021年に行われた参院補選の応援演説で、川勝知事が発したいわゆる「コシヒカリ発言」でした。

(川勝知事)

「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食ってそれで農業だと思っている」

この発言をめぐり2021年、県議会では、史上初となる知事に対する「辞職勧告決議」が可決。

これを受け、川勝知事は「自らペナルティを課す」として、その年の12月の給与やボーナス、約440万円を返上する意向を示していました。

(川勝知事)

「辞職勧告が採決されたのは極めて重いと受け止めておりまして、この勧告を忘れることはないと。年末の手当ボーナスとか12月の給与は全額県民の皆様にお返しする、返上する」

「県民の皆様にお返しする」と公言していましたが、その後、返上に必要な条例案の提出を見送っていて、給与やボーナスを返上していないことが発覚。問題発覚後、Daiichi-TVの取材に、川勝知事は「県民と約束はしていない」と答えました。

記者)県民との約束を守れなかったことについては?

(川勝知事)

「約束をしていません」

その後も、批判が相次いだことなどから、川勝知事は、2023年7月の県議会で、一転して給与やボーナスを返上すると表明。この日、知事の説明を受け、県議会最大会派の自民改革会議が提出した「不信任決議案」は、可決まで1票届かず、否決されました。

そして、21日、問題発言から2年近くたって、ようやく給与返上のための条例案を県議会に提出しました。条例案では、2023年11月と12月の知事の給与とボーナスから、446万円あまりを減額するとしています。また、知事は「辞職勧告」を突き付けられている身であることを自覚し、今後も県議会とコミュニケーションをとっていくことを強調しました。

(川勝知事)

「県議会議員の皆様とのコミュニケーションを十分に図りながら、県民の皆様のために、公人・知事としての職責を果たすという思いで、県政運営に取り組んでまいります」

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