静岡・川勝知事が繰り返す”失言と謝罪” なぜ止まらない?コシヒカリ発言以外にもたびたび波紋広げる 心理カウンセラーは“多選の影響”も指摘

初当選を果たしてから14年。4期目も折り返しを過ぎた静岡・川勝知事。これまで歯に衣着せぬ発言で、たびたび波紋を広げてきました。

物議を醸したのは2016年。知事と政令市長との会談で、“犬猿の仲”ともいわれた静岡市の田辺前市長に向け放ったこの一言。

( 川勝知事)

「静岡市は政令指定市の失敗事例だ」

これ以降、田辺前市長との溝は、最後まで埋まることはありませんでした。2017年にはDaiichi-TVの番組で、県議会議員に向けて「表情が腐っている」などと発言。

(川勝知事)

「今ある県議会は、『職業政治屋』の方がやっている。いわゆるプロで、権力欲と金銭欲しかないような、見るからに表情が腐っているかのような人がたくさんいる」

この発言について、一部の政治家を指した発言で「誤解があった」と釈明しました。

( 川勝知事)

「うそを言ったわけではない。すべての人たちが不埒な政治屋ととられたのは誤解」

県議会議員に対しては、2019年にも、JR東静岡駅前の整備を巡り、計画に慎重な姿勢の県議会自民会派に向けて「やくざ」「ごろつき」と発言して物議を醸しました。この時は、自民党会派からの批判を受け、「不適切な発言だった」と発言を撤回、謝罪しました。

( 川勝知事)

「私の発言には不適切なものがございました。過ちです。それを改めるために不適切な発言のあったことを認め、認めた上で全て撤回を致します」

また、2020年には「日本学術会議」の会員候補が任命されなかったことを受けて、当時の菅総理に対し…。

( 川勝知事)

「菅 義偉という人物の教養のレベルがはからずも露見したということ」「学問をされた人ではないですね、単位を取るために大学を出られたんではないか」

学歴差別ともとれる発言は、県に1000件を超える苦情が寄せられるなど大きな騒動に。再び謝罪に追い込まれました。

( 川勝知事)

「学歴を問題にしたのではなくて、 学問を大切にしなければならないということを申し上げたつも りだったが、学歴が表に出て県民が心配された。しかも事実認識が不正確であっ たので、その部分は間違いであるから撤回する」

そして2021年には、“コシヒカリ発言”で謝罪した直後にも失言が発覚。6月の県知事選の期間中に学長を務めていた静岡文化芸術大学の女子学生について、「11倍の倍率を通ってくるんだから皆きれい」「めちゃくちゃ顔のきれいな子は、賢いことを言わないときれいに見えないが、全部きれいに見える」 女性の学力と容姿を結びつけるような発言をしていました。また、2022年は、2022年を表す漢字を「水」とした理由について…

( 川勝知事)

「牧之原市の幼稚園で、いたいけな子どもさんが熱気の中で、ある意味水分を全部体内から吸収されてお亡くなりになりました。それもある意味で…広い意味で“水”と関係していると思います」

牧之原市で、3歳の女児が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件を例に挙げましたが、「配慮に欠ける」と批判を浴びました。

これまで何度も“失言”を繰り返し、そのたびに釈明や謝罪に追われた川勝知事。失言を繰り返す裏には、どんな心理があるのでしょうか。これまで5000人以上のカウンセリングを行ってきた心理カウンセラーの小日向るり子さんは、その理由について「川勝知事の負けず嫌いな性格」にあると話します。

(心理カウンセラー 小日向 るり子さん)

「負けん気が強いという性格があると思う。なのでこう喧嘩のスタンスになってしまう。“やくざ” “ごろつき” とか公で発言するべきではない単語が出てきてしまう」

その上で、小日向さんは4期目に入っている川勝知事の「多選」の影響もあるのではと指摘します。

(心理カウンセラー 小日向 るり子さん)

「『自分は選ばれた人間なんだ』というエリート意識や選民意識があって、『そのままでいても当選できた』ことで、倫理観や道徳観念が時代についていけていない」

7月の議会で「不信任決議案」が、わずか1票届かず否決された後の会見で、川勝知事は、ようやく反省したのか…

( 川勝知事)

「(これまで)間違いをすることはあったと思うが、今後、間違いをして人様に迷惑をかければ、辞職する」

任期は残り2年。県民からの厳しい目が向けられています。

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