「地方公務員アワード」受賞 浜松市の“スーパー公務員”その活動に迫る

全国の地方公務員の中でも、特に活躍している人を表彰する「地方公務員アワード」を、浜松市の職員が初めて受賞しました。注目の”スーパー公務員”の活動に迫りました。

毎年、現役地方公務員の推薦を基に「すごい」と思う地方公務員を表彰する「地方公務員アワード」。8月、浜松市として初めて受賞したのが、浜松市中区にある「富塚協働センター」の職員 野嶋京登さん38歳です。

(浜松市富塚協働センター 野嶋京登さん)

「イベントの計画や講座の企画、施設管理、貸し館業務を行っています」

協働センターとは、いわゆる地域の公民館。野嶋さんは市民講座の企画などを行っていますが、ある特別な取り組みが注目されているのです。祝日の18日、佐鳴湖のほとりに行ってみると、パラソルや椅子を準備する野嶋さんの姿が…

(浜松市富塚協働センター 野嶋京登さん)

「きょうは毛糸と木枝を使ってワークショップを行います、日常的に顔が見える関係作り、幅広い世代間交流ができるように」

「あおぞら協働センター」と名付けたこの活動、毎週末、佐鳴湖のほとりで、地元のアーティストなどを招いてワークショップを開催。だれでも気軽に参加できる、地域住民の交流の場を作っているのです。

野嶋さんにとっては、住民から地域の課題を聞いたり、住民同士のつながりを生み出すなど活動を広げる場でもあります。

(浜松市富塚協働センター 野嶋京登さん)

「暑いですね、元気でしたか」

一人一人、名前を呼び 声をかける野嶋さん。

(浜松市富塚協働センター 野嶋京登さん)

「地域づくりを進めるにあたって、重要なのは名前と顔を覚えること。(地域に)1万8000人くらい市民がいて、2000から3000人くらい覚えている。親しみやすい職員になることを心がけています」

市民との距離も近いようで…

(地域住民)

記者)話すること多いですか?

「ないよ」「いろいろ企画してくれる、地域のためにとやってくれる、すばらしい」

「(野嶋さんは)有名人です」「企画を通じて地域でいろいろな活動をしている人が知り合う、野嶋さんがどんどん声をかけてこういう人がいますよって、地域のハブみたいになって、つながりをつくってくれている」

元は化粧品の営業マンでしたが、地元浜松で「まちづくり」に携わりたいと2014年に浜松市職員に転身しました。

野嶋さんが拾った地域住民の声から動き出したプロジェクトもたくさんあります。

(浜松市富塚協働センター 野嶋京登さん)

「3年前にゴミ拾いをしてるボランティアの人があらわれて、佐鳴湖のゴミ問題を(教えてくれた)、このゴミの問題は誰1人知らなかった」

そこで、掲示物を作ったりイベントを企画。今では、地域住民ならだれもが知る課題となり、ゴミ拾いの活動も広がっています。さらに、野嶋さんの考案で、地元の高校生40人規模のボランティアサークルも発足。一緒にイベントを企画したり地域課題に取り組んでいます。これらの活動は、テレビや新聞などに年間50回以上掲載されるなど、大注目されているのです。”スーパー公務員”の野嶋さんがこれから目指すものとは…

(浜松市富塚協働センター 野嶋京登さん)

「災害が起きたときに助け合う関係をつくるのも重要、一人じゃ何も解決できないので、いろいろな問題に対して、みんなで集まってみんなで知恵を出していく、みんなで解決していくそのシステム作りができればなと思う」

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