【インドネシア】JCB、BNI銀から最上位カード発行[サービス]

BNIと提携して最上位のクレジットカードの発行を発表したJCBインターナショナル・インドネシアの高橋社長(右)=20日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

クレジットカード大手JCBのインドネシア法人JCBインターナショナル・インドネシアは20日、国営バンクネガラインドネシア(BNI)と提携し、富裕層向けの最上位クラスのクレジットカード「ULTIMATE(アルティメット)」の発行を同日から開始すると発表した。

JCBは、2013年5月に国営銀行では初めてBNIと提携。今回のアルティメットが3券種目となる。14年にアルティメットの一段階下のクラスに位置付けられる「プレシャス」カードの発行を開始、17年にはゴールドカードにも券種を増やした。

発行を開始したアルティメットカードは、日本をコンセプトとしたさまざまなサービスを提供し、インドネシア人富裕層の需要を取り込む。国内外で提携する空港ラウンジを利用できるほか、レストランでカードを利用すればBNIリワードポイントを10倍、レストラン以外のカード加盟店で利用すればポイント3倍を付与する特典を提供する。

さらに、3カ月間のカード利用額が合計2億ルピア(約193万円)以上の会員にもれなく、首都ジャカルタと東京間のビジネスクラス航空券を進呈する特典も実施する。

JCBは現在、BNIを含む国内大手7銀行と連携し、富裕層を主な対象に約70万会員にクレジットカードを発行している。カードの種類は会員の所得水準に応じて4つあり、アルティメットカードの発行は、マレーシア系銀行CIMBニアガに続きBNIが2行目となる。

インドネシア中央銀行によると、国内のクレジットカード発行枚数は約1,700万枚。JCBの関係者によれば、このうち約300万枚がインドネシアの富裕層を対象としたプレミアムカードの会員だ。国内では約100万店のカード加盟店があり、全店でJCBのカードが利用できる。

JCBカードのインドネシアでのショッピングによる利用額は22年に、前年から2.4倍に増加。新型コロナウイルス感染症流行前の19年と比べれば5倍に拡大した。今年2月からは、インドネシア国内だけでなく、日本を旅行した際に利用できる優待サービスを集めた「SUGOI JAPAN(スゴイジャパン)」を導入した。

JCBインターナショナル・インドネシアの高橋巧社長は、「一般的な消費者にとってはJCBもVISA(ビザ)もマスターカードも同じクレジットカード。だがJCBなら、日本関連のサービスで差別化できる」と強調。「特にインドネシアの富裕層をターゲットとし、日本をキーワードにウィンウィンとなるパートナーシップを広げ、インドネシアと日本の架け橋のような存在になれればと考えている」と話した。

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