給油所10年で87店減 石川、後継不足やEV普及

レギュラー価格179円を示す看板=金沢市内の給油所

 石川、富山で給油所の閉店が相次いでいる。経済産業省のまとめでは、2022年度末の店舗数は、10年前と比べて石川で87店減、富山で67店減となった。後継者不足のほか、ハイブリッド車や電気自動車(EV)の普及でガソリンの販売が減ったことが大きい。直近では、ガソリン価格の高騰で給油の回数や量を減らすドライバーが増えるなど、給油所の売り上げ減につながりかねない状況も続いている。

 経済産業省によると、石川の給油所数は12年度末に411店だったのが年々減少し、18年度末は343店、22年度末には324店となった。富山は12年度末が419店で、18年度末378店、22年度末には352店になった。

 全国では、12年度末に3万6349店だったのが、18年度末に3万70店となり、22年度末は2万7963店となった。10年前と比べて8386店が減った計算になる。

 給油所の閉店について、石川県石油販売協同組合はハイブリッド車やEVの増加で、ガソリンの販売数量が減っていることを要因の一つに挙げる。担当者は「ガソリン車の販売台数も減っている。脱炭素の時代の流れには逆らえない」とため息をついた。

 ガソリン価格が高騰する中、給油所からは現状を嘆く声が上がっている。白山市内の給油所の責任者は「レギュラーガソリンの価格が180円台になってから、目に見えて来店者数が減った。割り引きするにも限界があり、厳しい」と話した。

 石川県石油販売協同組合の担当者は「給油所もガソリン販売以外でいかに利益を出し、どうやって生き残っていくかが課題になっている」と語った。

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