栃木市が東武百貨店と協議 庁舎1階の賃貸借再契約へ

栃木市役所

 【栃木】市は21日の市議会議員研究会で、市庁舎1階の商業施設に10年間の定期建物賃貸借契約で入居している東武宇都宮百貨店と再契約に向けた協議を開始することを明らかにした。来年3月の契約満了を控え、同社から再契約を希望する申し入れがあった。市も同社が地域住民の利便性や中心市街地活性化に寄与していると判断した。

 現在の市庁舎を巡っては、2010年7月の福田屋百貨店栃木店の閉店に伴い、市が市庁舎としての利活用と1階部分への商業施設誘致を決定。有識者らによる選定委員会が東武宇都宮百貨店を優先交渉権者とし、14年3月に開店した。

 現契約の期間は14年3月~24年3月、面積は約4120平方メートル、賃料は月額約129万円。同社が8月に「コロナ禍や物価高騰などで経営は厳しいが、さらに百貨店の強みを生かしながら市の活性化に尽力したい」と再契約を申し入れた。

 市管財課は同社と再契約を希望する理由として、市街地活性化への貢献に加え「新たに事業者を募集した場合、出店まで地元住民など利用者に不便が生じ、新たな施設整備費が発生する可能性などが懸念される」と説明した。契約期間と賃料は今後の協議で決めていくという。

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