「なぜだか食欲がわかない」「お腹がすかない」など、食欲や食事量についてお悩みの方はいませんか?
食事量が足りないとエネルギーが出ず、疲れてしまいますよね。元気に家事や子育てをこなすためには、食欲がないのをそのままにはしておけません。
今回は、食欲がわかない原因や対処法についてご紹介します。
食欲不振とはどんな状態?
「食欲不振」といっても、一人ひとり感じ方が違います。「お腹はすいているのに入っていかない」「お腹がすかない」「食べたいものがない、偏っている」など、表現される言い方はさまざまです。
あまり自覚がなくても、現在の症状が「食欲不振」にあたるという方もいるかもしれません。
食欲不振の原因
食欲不振の原因は多岐にわたります。いくつかご紹介しますので、当てはまるものがないか確認してみましょう。
1.ストレスや疲労
精神的なストレスや疲労で食欲が高まり食べすぎてしまう方もいますが、逆に食べられなくなってしまう方もいます。
ストレスを感じると交感神経が過剰に働くようになり、胃腸の動きが悪化するのです。そのため、「食べ物が入っていかない」「すぐにお腹がいっぱいになる」といった状態になります。
2.味覚の変化
味覚が変わったことで、食欲がわかなくなっている可能性もあります。
「全体的に味がしない」こともあれば、「塩味を強く感じる」など特定の味付けがきつく感じることもあるでしょう。味覚に変化があるために、食べたいものが偏っている可能性はありませんか?
3.口内炎や口内の乾燥
口内炎や口内の乾燥など、お口のトラブルで食欲がわかない可能性もあります。
口内炎は、栄養バランスの偏りやストレスが原因です。また、口の中が乾燥するのは、脱水や口呼吸、飲んでいる薬の影響などが原因かもしれません。
消化器や甲状腺、心臓、腎臓の病気の可能性も
食欲がない状態が長く続いている方は、病気の可能性も考えられます。一度、病院を受診して検査してみましょう。
1.胃や食道の病気
食欲不振のほかに、吐き気や腹痛が伴っている方は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃食道逆流症(逆流性食道炎)などの病気の可能性を考えてみましょう。
胃カメラなどを実施している消化器内科を受診するのがおすすめです。
2.甲状腺の病気
食欲不振のほか、ひどい倦怠感、汗が出ない、寒気がする、気力が出ないといった症状がある方は、甲状腺のホルモン分泌が低下する「甲状腺機能低下症」かもしれません。
内科で症状について相談してください。
3.心臓や腎臓の病気
心不全や腎不全といった病気でも、食欲不振を起こします。
若い方にはあまり多くありませんが、忙しいことを理由に病院の受診を疎かにしてしまっている方は要注意です。心不全や腎不全では、倦怠感やむくみ、便秘、呼吸の苦しさなど多彩な症状が出ます。
高血圧や糖尿病などの治療を中断してしまっている方はかかりつけ医を、しばらく健康診断をしていない方は健診センターや健診に対応している内科などを受診しましょう。
食欲がないときの対処法
さまざまな原因で食欲が低下することをご紹介しましたが、実際にどのように対処したらいいのでしょうか。
1.規則正しい生活をする
ストレスや疲労で食欲不振になっている方は、自律神経のバランスを整えるため、規則正しい生活をするようにしましょう。
なるべく早く寝て、起きたあとは少し朝日を浴びると効果的です。また、食欲がなくても、毎日決まった時間に少しでも何か食べるようにしてください。
2.刺激物やカフェインを控える
食欲がないときには「スパイスの香りで食欲が出るかも」「疲れているからカフェインで元気を出そう」など、刺激物やカフェインを摂りたくなってしまうもの。
少しのスパイスであれば胃の動きを改善して食欲を出す効果がありますが、摂りすぎは逆効果です。激辛料理は避ける、カフェインを含む飲み物は1日1杯までなど、少しだけ気をつけましょう。
3.漢方で心身のバランスを整える
食欲不振は、原因を取り除くことが大切ですが、漢方薬を飲むというのもひとつの手段です。漢方薬のなかには、食欲不振や疲労軽減に効果が認められているものもあります。
食欲不振の原因は、ストレスや冷え、胃腸の働きの低下が考えられます。
食欲不振の改善には、「自律神経のバランスを整えて、ストレスが原因の食欲不振を軽減させる」「からだを温めて、冷えが原因の食欲不振を改善させる」「胃腸の機能を回復させる」といった働きをもつ漢方薬を選びます。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、食欲不振になりにくいだけでなく、疲労やストレスに負けないからだを手に入れることができるでしょう。
食欲不振のある方におすすめの漢方薬
六君子湯(りっくんしとう)
胃腸の働きを高めて、胃にたまった余分な水分を取り去る漢方薬です。消化器全体が弱っており、疲れやすく、手足が冷えやすい方に向いています。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
消化器系や呼吸器系の機能を高めて、「気」を補う漢方薬です。からだの倦怠感が強く、気力もわかず、食欲もない方に向いています。
漢方薬は、その時々の状態や体質に合わせて選択することが大切です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、思わぬ副作用が起こることもあります。
どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるため、漢方薬に詳しい薬剤師の力を借りてみませんか? 最近では、オンライン上で漢方薬の相談ができるサービスもあります。
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今回は、食欲不振について、原因と対策をご紹介しました。
自分ではあまり気にしていなかった症状も、じつは食欲不振の兆候かもしれません。元気に毎日を過ごすために、原因を見つけ、食欲不振を改善していきましょう。
対策をとっても食欲不振が改善しない方は、専門家に相談して漢方薬を試してみるか、病気の可能性がないかどうか病院を受診してみてください。
<この記事を書いた人>
薬剤師 中山 歩実
大学病院、市立病院での勤務を経て、長期療養型の病院へ転職。なかなか改善しない症状に対し漢方を使ったサポートを実施している。
さまざまな病気の段階の方と接する中で、正しい医療情報を得ることの難しさを痛感し、ライター活動を開始。がんや感染症、生活習慣病など幅広い疾患や薬についての記事制作を担当。「誰もが自分のからだを労れる社会」を目指し、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
(ハピママ*/ あんしん漢方)