唐沢山城跡環境保全などに従事 佐野市が4年ぶりに講座開講 ボランティア養成へ

堅牢な石垣が残る唐沢山城跡(市提供)

 【佐野】国指定史跡・唐沢山城跡の環境保全や史跡ガイドとして活動してもらうと、市は10月から「ボランティア養成講座」を開講する。新型コロナウイルス禍で中止となっており、今回4年ぶりの実施となる。市文化財課は「郷土が誇る歴史的遺産を守り、その貴重さを広めていくためにはボランティアの拡充が重要。興味と意欲のある人に積極的に受講してもらいたい」と呼びかける。

 同養成講座は唐沢山城跡についての知識を深めてもらい、史跡や周辺の環境整備、現地のガイドができるボランティア人材を育成するのが狙い。受講者には「史跡唐沢山城跡保存会」への加入などを期待している。

 同保存会は2017年に唐沢山城跡で開催された「全国山城サミット」を機に発足した。定期的に草刈りや立木の除去を行い、観光客らに数々の見どころや史跡の素晴らしさを伝えるガイドとしても活躍している。

 現在、会員は40~70代の31人。新型コロナの規制が大幅に緩和された中、市内最大の観光スポットの一つである唐沢山を訪れる人たちも大きく増加しているという。中里聡(なかざとさとし)会長は「山全体が歴史的遺産の宝庫であり、一層のマンパワーの充実が課題。養成講座の実施は心強い」と話す。

 同養成講座は10月9日~12月10日までの全5回。専門家らを講師に唐沢山城跡の歴史や価値などについて学ぶ座学に加え、同保存会のメンバーと共に実際に現地を歩いて素晴らしさを体感してもらうフィールドワークも行う。定員は先着30人で今月末まで募集する。原則5回受講が条件。費用は無料だが、100円程度の保険料が必要。

 (問)市文化財課0283.85.7308。

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