子どもたちが雅に舞 茂木で「河井のささら」 五穀豊穣など願う

子どもたちが美しい衣装で舞い踊る河井のささら

 【茂木】河井地区に伝わる県指定無形民俗文化財の伝統の舞「河井のささら」が18日、同所の八幡宮(はちまんぐう)で五穀豊穣(ほうじょう)などを願って奉納された。

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 平安時代の悲しい故事に起源を持つみやびな舞は、「河井獅子舞保存会」が地区を挙げて代々伝えている。役者は全て子どもで、雌雄3匹の獅子と、色鮮やかな衣装の瓠(ふくべ)2人を主役に、山上の社の境内で笛の音に合わせて古式ゆかしく舞い踊る。

 新型コロナウイルス禍による2年の休止を経て慎重に再開した昨年に続く今年は、雑子(ざっこ)、膳冠(ぜんかぶり)、警護といった他の役者もほぼそろい、本来の華やぎが戻った。

 瓠の大役を受けて夏休み中も獅子の3人と毎週末練習を続けた丸山玄(まるやまげん)君(8)、大穂(だいほ)君(6)兄弟も見事に踊りきり、「楽しかった」と口をそろえた。指導役の矢野信司(やのしんじ)さん(53)は2人を「よくできました」と優しく褒めた。

 午後は集落の中の長寿寺でも披露された。

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