「LRTノウハウを提供」 宇都宮市長、学術会議で講演 全国から600人集う

「赤字になっても必要なことは続ける」と決意を表す佐藤市長

 【宇都宮】交通やまちづくりについて考える「日本モビリティ・マネジメント会議」の宇都宮大会が22日、JR宇都宮駅東口のライトキューブ宇都宮で開幕した。初日は佐藤栄一(さとうえいいち)市長が講演し、次世代型路面電車(LRT)事業に関心を持つ来場者に対し「導入ノウハウは宇都宮が持っている。これまでの恩返しで、無償でお貸ししたい」と呼びかけた。

 毎年、全国の主要都市で開いている学術系会議。LRT開業で市が開催地となり、全国から交通事業に携わる産学官の関係者ら約600人が集まった。

 佐藤市長はLRT宇都宮芳賀ライトレール線の将来像などを紹介。沿線で人口増加や地価の上昇といった効果が出ていることに触れながら、「赤字になっても社会や市民に必要なことは歯を食いしばって続けていく」と強調。その上で「公共交通は福祉の時代に入っている。自分の力で移動できる環境を提供するのが行政の役割だ」と述べた。

 続くパネルディスカッションでは、宇都宮共和大の古池弘隆(こいけひろたか)特任教授ら地元関係者が開業までの苦労話を語り合った。

 同会議が贈るJCOMM賞は、市など県央3市5町でつくる県央地域公共交通利活用促進協議会がマネジメント賞を受賞した。会議は23日まで行われる。

© 株式会社下野新聞社