金沢―大阪間9410円 北陸新幹線と特急、現行より1620円高く

  ●小松―東京で1万4600円、加賀温泉―東京で1万4930円

  ●JRが料金発表

 JR西日本は22日、来年3月16日に金沢―敦賀間で開業する北陸新幹線の料金を発表した。金沢―大阪を新幹線と在来線特急で乗り継いだ場合、運賃と指定席の特急料金の合計は9410円となる。現在の特急「サンダーバード」を利用した場合の7790円と比べて1620円高くなる。小松―東京は1万4600円、加賀温泉―東京は1万4930円で、いずれも現行に比べ640円安くなる。

 北陸新幹線敦賀延伸後、金沢―大阪間の移動時間は現行よりも22分短い2時間9分となるものの、敦賀駅で乗り換えが生じ、料金は高くなる。敦賀駅は3階に新幹線、1階に在来線のホームがあり移動に時間がかかる。金沢―京都は700円高い7720円となる。

 金沢―名古屋も新幹線と特急「しらさぎ」で乗り継ぐ場合は9080円で、1620円高くなる。

 JR西によると、運賃は線路の距離に応じて算定している。東京―小松、加賀温泉は特急料金が新幹線だけのため、乗り継ぎがある現行よりも合計が安くなる。一方、金沢―大阪は新幹線と在来線両方の特急料金がかかるため、合計が高くなる。

 JR西営業本部の真鍋登志郎副本部長は22日、会見で、現行よりも料金が高くなる区間について「特別企画の乗車券やキャンペーンなど、さまざまな手段で集客を図る」と述べた。

 飲料・軽食付きのグランクラスは小松―東京が2万9440円、加賀温泉―東京が3万1160円となる。

 JR西とJR東日本は22日、特急料金の認可を国土交通相に申請した。年明け前後に認可される見通し。

 JR西は敦賀開業に合わせ、新幹線と在来線特急の乗り継ぎ割引を廃止する。敦賀駅で乗り継ぐ場合は激変緩和措置として独自の割引を適用する。

  ●23日から走行試験 金沢―敦賀

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)とJR西日本は23日、北陸新幹線金沢―敦賀間の走行試験を始める。JR東日本の点検車「イーストアイ」が走り、レールのゆがみや、電気を供給する架線の高さなどを確かめる。南加賀を新幹線が走行するのは初めて。JR西の車両「W7系」は26日から試験走行する。

 イーストアイは23日未明に白山総合車両所(白山市)を出発し、金沢駅から敦賀車両基地(敦賀市)まで時速30~45キロで走り、信号設備の作動状況などを確認する。

 試験は12月9日までで、このうち約40日間で1日1往復程度する。W7系の試験は段階的に速度を引き上げ、11月下旬に260キロで走る。小松、加賀温泉両駅では10月1日、W7系車両の試験走行歓迎セレモニーが行われる。

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