スマホかざせば、音声で道案内 山形で機能付き点字ブロックの説明会

スマートフォンをかざすと、地理情報を音声で案内する点字ブロックの機能を体験する参加者=山形市・霞城セントラル

 視覚障害者の生活を支援しようと金沢工業大などが研究・普及を進める音声案内機能付き点字ブロックの説明会が22日、山形市の霞城セントラルで開かれた。ブロックにスマートフォンをかざすと、現在地や周辺施設などの地理情報を音声で案内し、災害発生時の避難場所の確認もできる。東北での設置例はなく、町歩きの利便性向上や安全確保に役立つとして、市内への導入に関係団体の期待が高まっている。

 「コード化点字ブロック」として、同大やNPO法人「日本インクルーシブ・クリエーターズ協会」(東京)が普及に取り組んでいる。階段、横断歩道の前や分岐点などに設置される「警告ブロック」を活用。25個ある突起部に丸や三角の黒い印を付けて形成する「コード」を専用のスマホアプリで読み取ると、現在地と前後左右にある施設、避難場所などの情報が、歩いてきた方向に対応して読み上げられる。金沢市では中心市街地約200カ所に設置されており、東京都や大阪府、鳥取県などでも導入例がある。

 説明会では、同協会の川口育子副代表理事が音声案内の仕組みや開発経緯、設置費用が1カ所当たり3万~5万円であることなどを説明した。「人に尋ねづらいトイレの案内など、屋内での活用も有効。目の不自由な人が安心して1人で外を歩ける環境の構築につなげたい」と強調した。

 音声案内機能を体験した参加者からは「目的地の方向が分かるのは助かる」「スマホをかざすとすぐに音声が流れてすごい」などの感想が聞かれた。主催した山形市視覚障害者福祉協会の三浦保志会長は「融雪設備がある市中心部では、冬も効果を発揮し、外国人観光客の道案内にも使える。市や県に設置を要望していきたい」と話した。

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