「最高傑作」の木喰仏、京都・南丹で魅力語りあおう 30日から木喰まつり

木喰上人が手がけた木喰仏。八木町観光協会は「木喰まつり」を通じ、魅力を発信する=同協会提供

 木彫りの仏像で知られる木喰(もくじき)上人(1718~1810年)の最高傑作と称される木喰仏が残る京都府南丹市八木町で9月30日~10月6日、「木喰まつり」が開かれる。木喰上人が木喰仏を彫った思いや木喰仏の魅力などを関係者が語る催しや寄席、パネル展がある。主催する八木町観光協会は「木喰仏は南丹市の宝」とし、来場を期待している。

 木喰上人は各地を行脚。晩年に同町の清源寺に寄り、十六羅漢像など22体を作った。穏やかな笑みを浮かべているのが特長で、全国に残した約千体の中でも傑作と評価される。

 まつりは同協会の創立30周年記念の企画で、30日は市八木市民センターで午後1時から開く。同寺住職が木喰上人や木喰仏について語るほか、河井寛次郎記念館(京都市東山区)の学芸員は、陶芸家河井寛次郎が民芸運動の柳宗悦や版画家棟方志功と行った木喰仏の調査について講演する。無料で、同協会などで配る整理券が必要。

 10月1日午前11時からは同寺で「木喰ほほえみ寄席」を開催。元住職が残した献立表から再現した弁当を味わう。落語や奇術もあり、木喰仏のほほえみにちなんで笑顔になってもらう。2千円で、同協会に申し込む。

 9月30日~10月6日は同センターで木喰仏のパネルを展示する。

 同協会の寺田弘和会長は「ほほえみで癒やされる木喰仏は地元の宝」と話し、来場を呼びかける。今後、木喰仏の観賞に仏像の彫刻体験を絡めるなど、訪日客を取り込む仕掛けを考えたいという。

 各種問い合わせは同協会0771(42)5850。

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