カラオケ愛好家 76歳石田さん歌手デビュー がん闘病経て夢実現

石田俊治さんのデビュー作「五穀豊穣・ふる里祭り歌」のCDジャケット(提供)

 佐賀市のカラオケ愛好家が76歳で歌手デビューすることになった。3年に及ぶがん闘病の末に夢を実現。「浪花恋しぐれ」や「長良川艶歌」などで知られる作曲家、岡千秋さんが曲を提供したシングルCD「五穀豊ほう穣じょう・ふる里祭り歌」は27日に全国発売される。

 デビューするのは同市大和町の石田俊治さん。カラオケ歴は20年以上で、地域の大会でも入賞。家業の会社の一室には本格的な音響機器を設置し、自慢ののどを磨いてきた。

 ところが3年前、がんが見つかり苦しい闘病生活を送った。その経験から「人生について考えるようになった」といい、歌手になる夢をかなえたいと奔走。レコード会社ホリデージャパンからCD発売が決まった。

 芸名「石田千晃」で吹き込んだデビュー曲は、都会へ出て行った息子に寄せる親心を、勢いのある曲調の中に哀愁を漂わせ歌い上げる。石田さんは涙をにじませ「デビューできたのは岡さんや妻、周囲の支えのおかげ。恩返しの気持ちで地方を一生懸命に回りたい」と意気込んでいる。

 CDは1400円(税込み)で、佐賀市の久米楽器店など県内の主要レコード店にも並ぶ。(松尾綺子)

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