北陸新幹線通るのは嬉しいけれど大阪、名古屋が…福井県民の切実な本音 開業後の料金発表どう受け止めた?

北陸新幹線県内開業のカウントダウンボードの前を行き交う人たち=9月22日、福井県福井市のJR福井駅

 北陸新幹線県内開業後の料金が発表された9月22日、福井-東京間が現行の米原経由に比べ890円高くなることに対し、福井県内では乗り継ぎがなく時間も短縮される利便性を重視する声が目立った。一方、福井-大阪・名古屋間は千円超のアップで敦賀駅での乗り換えも必要になり、「率直に高い」といった受け止めが聞かれた。

 会社帰りにJR福井駅西口を歩いていた福井市の男性(27)は「1本で東京に行くことができるのはありがたい。米原経由より料金が高くなっても気にならない。北陸新幹線を使っていきたい」。1歳の子どもがいる敦賀市の女性(32)は「米原経由だと乗り換えでベビーカーを運ぶのが大変。敦賀開業後は料金が高くても北陸新幹線を使いたい」と話した。

 単身赴任中の敦賀から2週間に1度、東京に帰るという会社員の男性(50)は「敦賀-東京間は北陸新幹線より東海道新幹線の方が早く着く。敦賀延伸後も東海道を選ぶと思う」との考え。その上で「新幹線は北陸線の特急より雨や風で運休しにくいと思う」と選択肢が増えることに期待した。

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 大阪・名古屋方面の料金アップには厳しい意見が多く出た。専門学校に通う福井市の20代女性は、関西圏へ買い物でよく訪れるといい「(大阪駅と)往復で2千円以上上がるのは悲しい。ガソリン代が高いので電車が頼りなのに」とショックを受けた様子。

 関西方面に毎月出張に行くという福井市の会社員男性(58)は「率直に高い。新幹線が大阪まで延伸されたら一体いくらになるのか」と懸念。「新幹線整備による負担増を県民がかぶるのは正しいのか。料金と利便性を巡る議論を本格化させる段階に来ている」と求めた。

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